【本日のおすすめ】 久石譲, 信田かずお / となりのトトロ ハイテックシリーズ (1990)
【本日のおすすめ】
久石譲, 信田かずお / となりのトトロ ハイテックシリーズ (1990)
ジブリジャズ、ジブリ・オルゴール、カフェ・ジブリ(ボサノバ)……などなど。およそ想像し得る”アレンジ集。そのバリエーションの数だけ企画盤が存在するであろう異色の存在、ジブリ音楽。
アニメ音楽のアレンジ集自体は、<DIGITAL TRIP>や<シンセサイザー・ファンタジー>といったシリーズのように昔から定番として存在しますが、いくらなんでもジブリくらいでしょう、ここまでアレンジされ続けているのは。さすがに久石譲も作曲したとき、こんな形で巷で流れるBGMになるなんて予想できなかったでしょうね。
あちらでもジブリ。こちらでもジブリ。もはや市井の生活に定着すらした感すらあるジブリ・ミューザックの数々。こうなれば一度しっかりとジブリ音楽変奏の歴史というものを検証してみたくもなりますが、まあそれは一旦置きまして。自分が知る範囲での最初期のジブリアレンジのリリースというとこちら。アニメージュ(徳間書店)から1989~1990年に発表された「ハイテックシリーズ」です。
「ナウシカ」「ラピュタ」「魔女宅」そして「トトロ」の計4枚が存在。ニューエイジ、エスノポップ、アンビエント、テクノポップといった、オリジナルのサウンドトラックとは異なるアプローチで調理する、というのがシリーズのコンセプトとのこと。
4枚とも絶妙に風変わりな(いわゆる和レアリックな)、でも元ネタをしっかり判別できるように崩し過ぎない程度の改変が施されています。いかにも80年代なデジタルサウンドで彩られていたり、あるいは無印良品の店内BGMを思い出すオーガニックな異国風もあったりして。これがなかなかに面白い。
冒頭の『となりのトトロ』からして笑っちゃいます。有名なテーマ曲(トットロ♪トット~ロ♪)だけど、リバーブの深めのドラムに、ぼわんとしたフレットレス・ベースの縁取り……まさにバレアリック・トトロ。それ以外の何でもない。
続く『さんぽ』はゆったりしたボサノバ調に。しかも都会のパーラーでひと休みな80’sアーベイン式の。サツキとメイが歩いていたのは田園のはずだが……。『五月の村』も物語の舞台である山村から臨みうるはずのない潮風吹くラテン・フュージョン風に変身。担当アレンジャーって誰だっけ。クレジットで名前を確認。信田かずお。ミルキーウェイの松下誠の相方、と聞けばシティポップ好きばピンと来るでしょう。なるほど、ライトメロウ・トトロってことね。
個人的に一番は『風のとおり道』。オリジナルからして神秘的な大名曲ですが、それをフュージョンの側面を際立たせた上でLong Versionにエディットしたようなアレンジでとっても気持ち良い。控えめに熱く鳴るエレキギターが効いています。
普通のサントラと聴き比べてお楽しみください。
(A.K,)
p.s.
店内にあったジブリ関連商品を写真2枚目に収めてみました。こちらも併せてどうぞ。
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