ブルースの名盤おすすめ40選|年代別・スタイル別に初心者向けから歴史的名盤まで解説

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ブルースには、1920~30年代のデルタ・ブルースから、シカゴ・ブルース、エレクトリック・ブルース、ソウル・ブルース、そして現代のブルースまで、100年以上にわたる長い歴史があります。
そのため、「ブルースを聴いてみたいけれど、どのアルバムから聴けばいいのかわからない」という人も多いでしょう。

そこでこの記事では、ブルースを代表する名盤を40枚厳選。

古い録音だけに偏らず、ブルースの歴史をたどりながら、初心者でも聴きやすい作品から、じっくり聴き込みたい名盤まで紹介します。

さらに、それぞれの作品に「スタイル」「特徴」「おすすめの人」などのタグを付けているので、自分の好みに合った一枚も見つけやすくなっています。

ブルースの名盤40選

1920~1930年代|デルタ・ブルース/カントリー・ブルースの名盤

1. Robert Johnson『King of the Delta Blues Singers』

デルタ・ブルース 定番 ギター好き 初心者にもおすすめ

ブルースを語るうえで、ロバート・ジョンソンは避けて通れない存在です。1930年代に残した録音は、後のブルースやロックのミュージシャンに大きな影響を与えました。
『King of the Delta Blues Singers』は1961年に発表された録音集で、1936~37年に録音された代表曲をまとめた作品です。
「Cross Road Blues」「Sweet Home Chicago」「Love in Vain」など、現在でも知られる楽曲を収録。
ギター1本と歌だけで、リズム、ベース、メロディー、緊張感を同時に作り出しているところが大きな魅力です。

こんな人におすすめ:
ブルースの原点を知りたい人、ギター一本の演奏が好きな人、ロックのルーツを知りたい人。

2. Charley Patton『The Definitive Charley Patton』

デルタ・ブルース ルーツ・ブルース ギター好き ブルースの原点

チャーリー・パットンは、デルタ・ブルースの形成に大きな影響を与えた重要人物の一人です。ギターをリズム楽器のように力強く鳴らしながら歌うスタイルは、後のデルタ・ブルースへとつながっていきました。
『The Definitive Charley Patton』は、パットンの代表的な録音をまとめて聴ける作品として、初期ブルースを知るうえで重要な一枚です。
録音年代が古いため、現代の音楽とは音質が大きく異なります。しかし、だからこそブルースがまだ商業音楽として確立する前の、生々しい表現を感じることができます。

こんな人におすすめ:
ブルースのルーツをたどりたい人、古いアコースティック・ギターの演奏が好きな人。

3. Mississippi John Hurt
『Avalon Blues: The Complete 1928 OKeh Recordings』

カントリー・ブルース アコースティック 聴きやすい 初心者向け

ミシシッピ・ジョン・ハートは、デルタ・ブルースの荒々しさとは少し違った、穏やかで親しみやすい演奏が魅力です。フィンガーピッキングによる繊細なギターと、柔らかな歌声が印象的。力強さを前面に出すブルースとは違い、温かみのあるアコースティック・サウンドを楽しめます。「Avalon Blues」「Louis Collins」などの代表曲も収録されており、古いアコースティック・ブルースの魅力を知る入門盤としてもおすすめです。

1920年代に録音を残した後、長く音楽活動から離れていましたが、1963年に再発見され、再び音楽活動を開始。1966年には代表作『Today!』を発表しています。

こんな人におすすめ:
穏やかなアコースティック・ギターが好きな人、ブルース初心者。

4. Blind Blake『The Best Of Blind Blake』

カントリー・ブルース ラグタイム ギター好き フィンガーピッキング

戦前ブルースを代表するギタリスト、ブラインド・ブレイクの魅力をまとめて楽しめるベスト盤です。軽快で複雑なフィンガーピッキングと、ラグタイムの影響を感じさせるリズミカルなギターが大きな魅力です。卓越したギターテクニックに加えて、軽妙な歌とユーモラスな楽曲も楽しめます。1920年代のカントリーブルースやラグタイム・ブルースを知る入門盤としても聴きやすい一枚です。

こんな人におすすめ:
フィンガーピッキングを楽しみたい人、ラグタイム・ブルースが好きな人

5. Memphis Minnie『Hoodoo Lady』

女性ボーカル カントリー・ブルース ギター好き

メンフィス・ミニーは、ブルース史を代表する女性アーティストの一人です。歌だけでなくギターにも優れ、男性中心だった当時のブルース・シーンで強い存在感を放ちました。力強いボーカルとギターの組み合わせは、女性ブルースの歴史を知るうえでも重要です。

こんな人におすすめ:
女性ボーカルのブルースを聴きたい人、ギターを弾く女性アーティストに興味がある人。

6. Blind Lemon Jefferson『King of the Country Blues』

カントリー・ブルース アコースティック ルーツ・ブルース

ブラインド・レモン・ジェファーソンは、1920年代のブルースを代表する重要な存在です。ギターと歌を一人で組み合わせるカントリー・ブルースのスタイルを知るうえで、非常に興味深い録音を残しています。後のデルタ・ブルースだけでなく、アメリカの大衆音楽全体へつながる初期ブルースの姿を感じられる作品です。

こんな人におすすめ:
1920年代のブルースを聴いてみたい人、ルーツ音楽を深掘りしたい人。

7. Blind Willie McTell『The Early Years 1927–1933』

カントリー・ブルース ピードモント・ブルース 12弦ギター 

ジョージアを代表する戦前ブルースマン、ブラインド・ウイリー・マクテルの初期録音集です。12弦ギターによる流麗なフィンガーピッキングと澄んだ歌声が魅力で、「Statesboro Blues」など代表曲も収録。デルタ・ブルースとは異なるピードモント系の繊細な響きを楽しめる、戦前ブルースの重要盤です。

こんな人におすすめ:
12弦ギターの音色が好き、ピードモント・ブルースを聴いてみたい

1940~1960年代|シカゴ・ブルース / ソウル・ブルースの発展

8. Muddy Waters『The Best of Muddy Waters』

シカゴ・ブルース エレクトリック・ブルース 定番 初心者向け

シカゴ・ブルースを代表するマディ・ウォーターズの魅力をまとめて楽しめる定番ベスト盤です。
デルタ・ブルースをルーツに持つマディ・ウォーターズは、エレクトリック・ギターを中心としたバンド・サウンドによって、ブルースを新たな時代へと発展させました。力強いボーカルとギター、ハーモニカが絡み合うサウンドは、後のロックやR&Bにも大きな影響を与えています。

こんな人におすすめ:
まず定番を聴きたい人、バンド・サウンドが好きな人、ロックのルーツを知りたい人。

9. Howlin’ Wolf『Moanin’ in the Moonlight』

シカゴ・ブルース ハーモニカ 重低音 定番

ハウリン・ウルフは、シカゴ・ブルースを代表するシンガーです。低く唸るような独特の歌声は、一度聴くと忘れられません。「Smokestack Lightnin’」「Moanin’ at Midnight」など、ブルースの代表曲として知られる楽曲も収録。
Muddy Watersとはまた違った、荒々しく野性的なシカゴ・ブルースを味わえます。『Moanin’ in the Moonlight』は1959年の代表作として、現在も定番的に紹介されています。

こんな人におすすめ:
迫力のあるボーカルが好きな人、重いブルースを聴きたい人。

10. Sonny Boy Williamson『Down And Out Blues』

シカゴ・ブルース ハーモニカ エレクトリック・ブルース 定番

サニー・ボーイ・ウィリアムソンの魅力である、個性的なハーモニカと味わい深いボーカルを楽しめる代表作。シカゴ・ブルースらしいバンド・サウンドを背景に、力強くもどこかユーモラスなハーモニカと、独特の歌い回しが印象的。ブルースの基本的なスタイルを楽しみながら、演奏の面白さもしっかり味わえます。

こんな人におすすめ:
ハーモニカ・ブルースが好きな人、シカゴ・ブルースの定番を聴きたい人

11. Lowell Fulson『Tramp』

ソウル・ブルース ファンク エレクトリック・ブルース ギター好き

ローウェル・フルソンは、戦後のウェストコースト・ブルースを代表するギタリスト/シンガー。『Tramp』は1967年に発表された作品で、ブルースにソウルやファンクのグルーヴを取り入れた、彼の代表作のひとつです。タイトル曲「Tramp」は、力強いファンク・ビートとシンプルで切れ味のあるギターが印象的。従来のブルースにこだわりすぎず、ホーンやリズム・セクションを活かした軽快なサウンドに仕上がっています。
Fulsonの温かみのあるギターと落ち着いたボーカルも聴きやすく、ブルースとソウル、ファンクのつながりを知るうえでも面白い一枚です。

こんな人におすすめ:
ソウル・ブルースが好きな人、ブルースにファンクのグルーヴを求める人

12. Little Walter『The Best of Little Walter』

シカゴ・ブルース ハーモニカ バンド・サウンド 

リトル・ウォルターは、ブルース・ハーモニカの表現を大きく進化させたアーティストです。アンプを使ってハーモニカを増幅することで、まるでギターやサックスのような迫力あるサウンドを生み出しました。シカゴ・ブルースのバンド・サウンドを理解するうえでも欠かせない存在です。

こんな人におすすめ:
ハーモニカが好きな人、バンド形式のブルースを聴きたい人。

13. Memphis Slim『At the Gate of Horn』

シカゴ・ブルース ピアノ好き R&Bが好き定番

メンフィス・スリムの『At the Gate of Horn』は、1959年に録音された、シカゴ・ブルースを代表するピアニストの魅力が詰まった一枚です。力強くリズミカルなピアノを中心に、ボーカルとバンドの演奏が一体となり、都会的で洗練されたブルースを聴かせます。シカゴの名門クラブ「Gate of Horn」を意識したタイトルも印象的で、戦後のブルースがジャズやR&Bと接近しながら発展していった時代の空気を感じられる作品です。ギター中心のブルースとはひと味違う、ピアノを軸としたバンド・ブルースの魅力を知るのにも適しています。

こんな人におすすめ:
ピアノ・ブルースを聴きたい人、シカゴ・ブルースをじっくり聴きたい人

14.Elizabeth Cotten『Folksongs and Instrumentals with Guitar』

アコースティック フィンガーピッキング 女性ボーカル ルーツ志向

エリザベス・コットンの『Folksongs and Instrumentals with Guitar』は、代表曲「Freight Train」をはじめ、素朴で温かなギター弾き語りを楽しめる一枚です。左利きでありながら右利き用のギターを逆さにして演奏した独特の奏法は「Cotten picking」とも呼ばれ、親指でメロディーを奏でるような個性的なフィンガーピッキングが大きな魅力となっています。派手な演奏ではありませんが、素朴なメロディーと飾らない歌声、温かなギターの響きが心に残ります。

こんな人におすすめ:
アコースティック・ブルースが好きな人、フィンガーピッキングを楽しみたい人

15. Junior Wells『Hoodoo Man Blues』

シカゴ・ブルース ハーモニカ ギター好き 定番

ジュニア・ウェルズの『Hoodoo Man Blues』は、シカゴ・ブルースの代表的な作品の一つです。ハーモニカを中心に、ギター、ベース、ドラムが絡むコンパクトなバンド・サウンドが魅力。ブルース・バンドの基本的な編成や、リズムの取り方を聴き取るのにも向いています。

こんな人におすすめ:
シカゴ・ブルースを本格的に聴いてみたい人、ハーモニカとギターの絡みが好きな人。

16. John Lee Hooker『House of the Blues』

エレクトリック・ブルース ブギー ギター好き

ジョン・リー・フッカーのブルースは、一般的なバンド・スタイルとは少し異なり、シンプルなリズムを繰り返しながら、ギターと歌で強烈なグルーヴを生み出します。足元から響いてくるようなリズム感と、独特のギター・フレーズが大きな魅力です。

こんな人におすすめ:
ギターのリズムが好きな人、反復するグルーヴを楽しみたい人。

17. Jimmy Reed『I’m Jimmy Reed』

シカゴ・ブルース ハーモニカ 初心者向け ポップス好き

ジミー・リードは、ブルースの中でも比較的親しみやすいサウンドを持つアーティストです。ギターとハーモニカによるシンプルな演奏に、覚えやすいメロディーが乗ります。ブルースを初めて聴く人でも入りやすく、後のロックやポップスにつながる要素も感じやすい作品です。

こんな人におすすめ:
聴きやすいブルースから入りたい人、ロックやポップスが好きな人。

18. Elmore James『The Sky Is Crying』

エレクトリック・ブルース スライドギター ギター好き

エルモア・ジェイムスといえば、強烈なスライドギターが最大の魅力です。ギターを滑らせるように演奏するスライド奏法によって、鋭く、歪んだような音色を作り出しています。後のロック・ギターにもつながる豪快な演奏なので、ブルースギターが好きな人には特におすすめです。

こんな人におすすめ:
スライドギターが好きな人、ロック・ギターのルーツを知りたい人。

1950~1970年代|エレクトリック・ブルースの名盤

19. T-Bone Walker『T-Bone Blues』

エレクトリック・ブルース 都会的 ギター好き

T-ボーン・ウォーカーは、エレクトリック・ブルース・ギターの発展に大きな影響を与えたギタリストです。ギターを立って弾きながらソロを取るスタイルや、洗練されたフレーズは、後のブルース・ギタリストたちに大きな影響を与えました。ブルースギターの歴史を知るなら、ぜひ押さえておきたい存在です。

こんな人におすすめ:
ブルースギターを研究したい人、洗練されたギター演奏が好きな人。

20. B.B. King『B.B. King Live In Cook County Jail』

エレクトリック・ブルース ライブ 定番 初心者向け

1970年にシカゴのクック郡刑務所で行われたライブを収録。B.B. キングの表情豊かなギターとソウルフルなボーカルが、熱気のあるステージで存分に楽しめます。特に、「歌うようなギター」とも評されるB.B. キング独特のフレージングが大きな魅力。ブルース・ギターの表現力を知るうえでも、ぜひ聴いておきたい名盤です。

こんな人におすすめ:
まず定番を聴きたい人、ブルースギターに興味がある人、ライブ盤が好きな人。

21. Albert King『Born Under a Bad Sign』

ソウル・ブルース エレクトリック・ブルース ギター好き 定番

アルバート・キングは、強烈なチョーキングと太いギターサウンドで知られるブルース・ギタリストです。『Born Under a Bad Sign』は、ブルースとソウル・ミュージックが交差する作品。Stax Recordsらしいリズム・セクションとアルバート・キングのギターが組み合わさり、非常にグルーヴィーなブルースを聴かせます。

こんな人におすすめ:
ファンクやソウルも好きな人、太いギターサウンドが好きな人。

22. Freddie King
『Let’s Hide Away and Dance Away with Freddy King』

テキサス・ブルース インストゥルメンタル ギター好き

フレディ・キングは、ブルース・ギターの三大Kingの一人として知られています。この作品では、ギターを中心にしたインストゥルメンタル・ナンバーを楽しめます。ブルースのフレーズやギター・リックを聴き込みたい人には特に面白い一枚です。

こんな人におすすめ:
ギターが好きな人、インストゥルメンタル作品が好きな人。

23. Otis Rush『Right Place, Wrong Time』

シカゴ・ブルース ギター好き 歌重視 深掘り向け

オーティス・ラッシュは、シカゴ・ブルースを代表するギタリストの一人です。鋭いギターと感情的なボーカルを組み合わせた演奏が特徴。『Right Place, Wrong Time』では、彼の持つ緊張感のあるギタープレイと歌を楽しめます。

こんな人におすすめ:
B.B. KingやAlbert Kingを聴いた後、さらにブルースギターを掘り下げたい人。

24. Slim Harpo『Sings Raining in My Heart』

エレクトリック・ブルース ハーモニカ スワンプ・ブルース 定番

スリム・ハーポは、ルイジアナを代表するブルース・ミュージシャンの一人。ハーモニカとギターを中心としたシンプルなサウンドに、独特の粘り気とゆったりとしたグルーヴが加わっています。シカゴ・ブルースのような力強いバンド・サウンドとは異なり、どこか湿り気のある音色と落ち着いたリズムが特徴。シカゴ・ブルースとは少し違ったエレクトリック・ブルースを聴いてみたい人におすすめ。 ルイジアナ・ブルースやスワンプ・ブルースへ興味を広げるきっかけにもなる一枚です。

こんな人におすすめ:
スワンプ・ブルースに興味がある、定番とは少し違ったブルースを聴いてみたい

25. Albert Collins『Ice Pickin’』

テキサス・ブルース エレクトリック・ブルース ギター好き 個性的

アルバート・コリンズは、鋭く冷たいようなギター・トーンで知られるギタリストです。『Ice Pickin’』というタイトル通り、ギターの音には鋭さがあります。テキサス・ブルースのギター・スタイルを知るうえでも興味深い作品です。

こんな人におすすめ:
特徴的なギター・サウンドが好きな人、テキサス・ブルースを聴きたい人。

1960~1970年代|ソウル・ブルースとブルース・リバイバル

26. Lightnin’ Hopkins『Mojo Hand』

テキサス・ブルース アコースティック ギター好き

ライトニン・ホプキンスは、テキサス・ブルースを代表するギタリストです。ギターと歌だけで作り出す独特のグルーヴが魅力で、演奏には即興的な自由さがあります。『Mojo Hand』は、テキサス・ブルースの魅力を知るうえで聴いておきたい作品です。

こんな人におすすめ:
ギターと歌のシンプルなブルースが好きな人、テキサス・ブルースを知りたい人。

27. Son House『Father of Folk Blues』

デルタ・ブルース アコースティック 歌重視 ルーツ志向

サン・ハウスは1930年代を中心に活躍した戦前デルタ・ブルースを代表するシンガー/ギタリストです。ただし本作品は1965年に録音・発表された作品で、1960年代のフォーク・ブルース・リバイバルの中で再発見されたサン・ハウスの魅力を捉えています。

力強く感情的な歌声と、リズムを強く刻むアコースティック・ギターが大きな特徴。
洗練されたバンド・サウンドとは違い、歌とギターだけでブルースの迫力を生み出しています。古いデルタ・ブルースのスタイルを、1960年代のリスナーに伝えた重要な一枚。ブルースのルーツを知りたい人や、アコースティック・ギターと歌による生々しい表現を楽しみたい人におすすめです。

こんな人におすすめ:
歌の迫力を重視する人、アコースティック・ブルースを深く聴きたい人。

28. Buddy Guy『A Man and the Blues』

シカゴ・ブルース エレクトリック・ブルース ギター好き ソウル・ブルース

バディ・ガイは、シカゴ・ブルースを代表するギタリストの一人です。本作は、力強いギターと感情豊かなボーカルを存分に味わえる代表作のひとつ。鋭く切り込むギターとダイナミックな歌が印象的で、シカゴ・ブルースらしいエレクトリックなサウンドを楽しめます。ギターだけでなく、歌の表現力にも注目したい作品です。

こんな人におすすめ:
力強いエレクトリック・ブルースを聴きたい人、ロック寄りのギターが好きな人。

29. Magic Sam Blues Band『West Side Soul』

シカゴ・ブルース ソウル・ブルース ギター好き 定番

1967年録音、1968年発表。マジック・サム・ブルース・バンドの『West Side Soul』は、1960年代のシカゴ・ブルースを代表する名盤です。マジック・サムの魅力は、力強いギターとソウルフルなボーカル。泥臭さを残しながらも軽快なリズムがあり、ブルース初心者でも比較的聴きやすい作品です。
「ブルースは渋くて難しそう」と感じている人にもおすすめしたい一枚。 シカゴ・ブルースの魅力を知る入門盤としても、ギターをじっくり楽しむ作品としても聴き応えがあります。

こんな人におすすめ:
ソウルやR&Bも好き、初心者でも聴きやすいブルースを探している

30. Etta James『At Last!』

女性ボーカル ソウル・ブルース R&B 歌重視

エタ・ジェイムスは、ブルース、R&B、ソウルを横断する圧倒的な歌唱力を持つシンガーです。『At Last!』では、ブルースだけに限定されない幅広い音楽性を楽しめます。タイトル曲「At Last」は特に有名で、力強さと繊細さを兼ね備えた歌声が印象的。

こんな人におすすめ:
女性ボーカルが好きな人、ソウルやR&Bからブルースに入りたい人。

31. Sleepy John Estes『The Legend of Sleepy John Estes』

カントリー・ブルース アコースティック ハーモニカ 歌重視

スリーピー・ジョン・エスティスは、1930年代を中心に活躍したテネシー出身のカントリー・ブルースマン。本作は、長く表舞台から離れていた彼が1962年に再発見され、再び録音した復帰作です。枯れた味わいのあるギターと、哀愁を帯びた独特の歌声が大きな魅力。そこに旧友Hammie Nixonのハーモニカやピアノ、ベースが加わり、素朴ながらも温かみのあるアンサンブルを聴かせます。
戦前のカントリー・ブルースと1960年代のブルース・リバイバルをつなぐ作品としても興味深い一枚。派手な演奏よりも、歌とギター、ハーモニカが作り出す生々しいブルースをじっくり味わいたい人におすすめです。

こんな人におすすめ:
カントリー・ブルースのルーツを聴きたい人、哀愁のあるボーカルを楽しみたい人

32. Koko Taylor『I Got What It Takes』

女性ボーカル シカゴ・ブルースボーカル好き

ココ・テイラーは「Queen of the Blues」とも呼ばれた、シカゴ・ブルースを代表する女性シンガーです。力強い声と迫力のあるバンド・サウンドが特徴。男性中心になりがちなブルースの歴史の中で、女性ブルース・シンガーの存在感を知ることができます。

こんな人におすすめ:
パワフルな女性ボーカルが好きな人、シカゴ・ブルースをさらに掘り下げたい人。

33. Big Mama Thornton
『Big Mama Thornton with the Muddy Waters Band』

女性ボーカル エレクトリック・ブルース ハスキーボイス

ビッグ・ママ・ソーントンは、強烈な存在感を持つ女性ブルース・シンガーです。ハスキーで迫力のある声が最大の魅力。Muddy Waters Bandとの共演によって、彼女のボーカルとシカゴ・ブルースのバンド・サウンドを同時に楽しめます。

こんな人におすすめ:
迫力のある歌声が好きな人、女性ブルースの歴史を知りたい人。

34.Hound Dog Taylor & the HouseRockers『Natural Boogie』

シカゴ・ブルース エレクトリック・ブルース スライド・ギター ブギー

ハウンド・ドッグ・テイラー&ザ・ハウスロッカーズの『Natural Boogie』は、シカゴ・ブルースの中でも特に荒々しく、エネルギッシュなサウンドを楽しめる作品です。テイラーの鋭いスライド・ギターと、ブリュワー・フィリップスのギター、テッド・ハーヴェイのドラムによるシンプルな編成が特徴。余計な飾りのない、生々しい演奏がそのまま収められています。

こんな人におすすめ:
荒々しいエレクトリック・ブルースが好きな人、スライド・ギターやブギーを楽しみたい人

1970~1990年代|現代ブルースへつながる名盤

35. Robert Cray『Strong Persuader』

モダン・ブルース ソウル・ブルース 聴きやすい 初心者向け

ロバート・クレイは、1980年代以降のブルースを代表するギタリスト/シンガーです。『Strong Persuader』は、ブルースをベースにしながら、ソウルやR&Bの要素も取り入れた洗練された作品。古いブルースの音質や演奏が少し聴きづらいと感じる人にもおすすめです。

こんな人におすすめ:
現代的で聴きやすいブルースが好きな人、R&Bが好きな人。

36. Luther Allison『Soul Fixin’ Man』

シカゴ・ブルース ソウル・ブルース ギター好き モダン・ブルース

ルーサー・アリソンは、伝統的なシカゴ・ブルースを現代的なサウンドで表現したギタリストです。『Soul Fixin’ Man』では、力強いギターとソウルフルなボーカルを楽しめます。クラシックなブルースの要素を残しながら、1990年代らしい音作りになっている点も魅力です。

こんな人におすすめ:
伝統と現代の中間にあるブルースを聴きたい人。

37. R.L. Burnside『Too Bad Jim』

ヒル・カントリー・ブルース エレクトリック・ブルース ギター好き グルーヴ

ミシシッピのヒル・カントリー・ブルースを代表するR.L. バーンサイドの魅力が詰まった一枚。荒々しいエレクトリック・ギターと重いリズムが絡み合い、シンプルながら強烈なグルーヴを生み出しています。

「Shake ‘Em on Down」や「Going Down South」など、思わず体を動かしたくなる曲が並ぶ一方、ギターと歌をじっくり聴かせる曲も収録。飾り気のない生々しいサウンドで、ブルースの原始的な力を感じられる作品です。

こんな人におすすめ:
重くてグルーヴィーなブルースが好き、エレクトリック・ギターを楽しみたい

2000年以降|新世代のブルース名盤

38. Fantastic Negrito『The Last Days of Oakland』

現代ブルース ソウル ファンク 社会派ブルース

ファンタスティック・ネグリートは、オークランドを拠点に活動する現代ブルース・シンガー。『The Last Days of Oakland』は2016年発表の作品で、2017年のグラミー賞「Best Contemporary Blues Album」を受賞しました。ブルースを軸に、ソウルやファンク、ロックを取り入れた個性的なサウンドが魅力。故郷オークランドの社会や人々の暮らしを題材に、現代的なブルースとして描いています。
伝統的なブルースとはひと味違う、現代ブルースの表現を楽しめる一枚。グラミー受賞作としても押さえておきたい作品です。

こんな人におすすめ:
現代的なブルースが好きな人、社会的なテーマを持った音楽が好きな人。

39. Christone “Kingfish” Ingram『662』

現代ブルース グラミー受賞 ソウル・ブルース ギター好き

クリストーン・“キングフィッシュ”・イングラムは、ミシシッピ州クラークスデール出身の若手ブルース・ギタリスト/シンガー。『662』は2021年に発表された2ndアルバムで、2022年のグラミー賞「Best Contemporary Blues Album」を受賞しました。
力強いギターとソウルフルなボーカルを軸に、ファンクやソウルも取り入れた現代的なブルースを聴かせます。伝統を受け継ぎながら、新しい世代のブルースを感じられる一枚です。

こんな人におすすめ:
ブルースギターが好きな人、ソウルやファンクを取り入れたブルースが好きな人

40. Jontavious Willis『Spectacular Class』

カントリー・ブルース アコースティック 現代ブルース グラミー賞ノミネート

ジョンタヴィアス・ウィリスは、若い世代でありながら、伝統的なカントリー・ブルースを大切にしているアーティストです。『Spectacular Class』では、アコースティック・ギターと歌を中心に、古典的なブルースの魅力を現代へつないでいます。また本作品は、2020年のグラミー賞で「Best Traditional Blues Album」にノミネートされたことでも注目を集めました。最新のブルースを聴きながら、デルタ・ブルースなどのルーツにも触れられるのが面白いところです。

こんな人におすすめ:
アコースティック・ブルースが好きな人、現代のルーツ・ミュージックに興味がある人。

ブルースの歴史を知ろう

ブルースは、アメリカ南部の黒人コミュニティで生まれた音楽をルーツに、20世紀を通じてさまざまな形へ発展してきました。

最初から現在のような「ブルース」というジャンルが完成していたわけではありません。アコースティック・ギターと歌を中心としたカントリー・ブルースから、都市部でのエレクトリック・ブルース、ソウルやR&Bを取り入れたブルースへと変化し、現在ではロックやファンク、R&Bなどとも融合しています。

ここでは、今回紹介する名盤を聴くうえで知っておきたい大まかな流れを紹介します。

1920~1930年代|デルタ・ブルースとカントリー・ブルース

1920年代から1930年代にかけて、アメリカ南部ではギターと歌を中心としたカントリー・ブルースが広く録音されるようになります。

ミシシッピ州を中心としたデルタ・ブルースでは、力強いギターと感情的な歌を組み合わせたスタイルが発展しました。Robert Johnson、Charley Patton、Son Houseなどは、この時代を代表するブルースマンです。

現在のブルースやロックにつながる基本的なスタイルは、この時代に形づくられていきます。

1940~1950年代|都市化とシカゴ・ブルースの発展

第二次世界大戦前後になると、南部からシカゴなどの都市部へ多くの黒人労働者が移動しました。

そこで、それまでのアコースティックなブルースにエレクトリック・ギター、ハーモニカ、ベース、ドラムなどを加えた、より大きなバンド・サウンドが発展します。Muddy Waters、Howlin’ Wolfなどが代表的な存在です。

特にシカゴ・ブルースは、後のロックやR&Bにも大きな影響を与えました。今回の40選でも、この時代の作品はブルースの定番として数多く取り上げています。

1950~1960年代|エレクトリック・ブルースの広がり

エレクトリック・ブルースはシカゴだけでなく、テキサスやルイジアナなど各地へ広がっていきます。

T-Bone Walkerの洗練されたギター、B.B. KingやAlbert King、Freddie Kingの力強いギター、Slim Harpoのスワンプ・ブルースなど、地域ごとに異なるスタイルが生まれました。

また、ブルースはR&Bやソウル・ミュージックとの距離も近くなり、ギターだけでなくボーカルやホーン・セクションを重視したサウンドも発展していきます。

1960~1970年代|ソウル・ブルースとフォーク・ブルース・リバイバル

1960年代になると、ブルースは新しい世代によって改めて注目されます。

Son HouseやElizabeth Cottenのような戦前のアーティストが再発見される一方、Magic Sam、Buddy Guy、Etta James、Koko Taylor、Bobby “Blue” Blandらは、ソウルやR&Bを取り入れた新しいブルースを生み出しました。Lightnin’ Hopkinsも、この時代に再び注目された重要な存在です。

つまりこの時代は、古いブルースの再発見と、新しいブルースへの発展が同時に進んだ時期といえます。

1980~1990年代|ブルースの再評価と現代化

1980年代以降になると、ブルースは新しい世代のミュージシャンによって再び注目されるようになります。

Robert CrayはソウルやR&Bを取り入れた洗練されたブルースを聴かせ、Luther Allisonも伝統的なシカゴ・ブルースを受け継ぎながら、現代的なサウンドへと発展させました。一方、R.L. Burnsideはミシシッピのヒル・カントリー・ブルースを受け継ぎ、荒々しいギターと独特のグルーヴで新たな魅力を生み出しています。

こうしてブルースは、伝統を受け継ぎながらも新しいサウンドを取り入れ、再び幅広いリスナーへと広がっていきました。

2000年代以降|新世代のブルース

21世紀に入ると、ブルースはさらに幅広い音楽と融合していきます。

Gary Clark Jr.はロックやR&B、Fantastic Negritoはソウルやファンクを取り入れ、Christone “Kingfish” Ingramは伝統的なブルースを土台に現代的なサウンドを生み出している一方、Jontavious Willisのように、アコースティック・ブルースやルーツ音楽を受け継ぐ若い世代も登場しています。

このようにブルースは、伝統を受け継ぎながら時代ごとの音楽と融合し、現在も変化し続けています。

ブルース初心者は、どの名盤から聴けばいい?

40枚もあると、「結局どれから聴けばいいの?」と思うかもしれません。
そんな場合は、自分の好きな音楽に近いところから入るのがおすすめです。

まずは定番をおさえておきたいなら

ブルースをこれから聴き始めるなら、まずはジャンルを代表する定番作品から聴いてみましょう。

  • Robert Johnson『King of the Delta Blues Singers』
  • B.B. King『B.B. King Live In Cook County Jail』
  • Muddy Waters『The Best of Muddy Waters』
  • Lightnin’ Hopkins『Mojo Hand』

これらは複数のブルース名盤ガイドでも定番作品として取り上げられています。

デルタ・ブルースからシカゴ・ブルース、エレクトリック・ブルースへと、ブルースがどのように発展してきたのかも感じ取りやすいでしょう。

ギターの音をじっくり聴きたいなら

Albert KingやBuddy Guyなど、ギターの表現力を楽しめる作品から入るのがおすすめです。

  • Freddie King『Let’s Hide Away and Dance Away with Freddy King』
  • Albert King『Born Under a Bad Sign』
  • Buddy Guy『A Man and the Blues』
  • Magic Sam Blues Band『West Side Soul』

特にB.B. Kingは、ギターで大量の音を弾くのではなく、一音一音に表情を付けるスタイルが魅力です。

古いアコースティック・ブルースから聴きたいなら

ブルースのルーツを知りたいなら、Charley Patton、Mississippi John Hurtなどのカントリー・ブルースがおすすめです。

  • Charley Patton『The Definitive Charley Patton』
  • Mississippi John Hurt『Avalon Blues: The Complete 1928 OKeh Recordings』
  • Blind Willie McTell『The Early Years 1927–1933』
  • Blind Blake『The Best Of Blind Blake』

録音年代が古いため現代の音楽とは音質が大きく異なりますが、歌とギターだけで作り上げる独特の緊張感は、ブルースならではの魅力です。

ハーモニカの音が好きなら

ハーモニカを前面に出したブルースが好きなら、Howlin’ WolfやLittle Walterなどのシカゴ・ブルースを聴いてみましょう。

  • Howlin’ Wolf『Moanin’ in the Moonlight』
  • Little Walter『The Best of Little Walter』
  • Junior Wells『Hoodoo Man Blues』
  • Sonny Boy Williamson『Down And Out Blues』

ギターだけでなく、ハーモニカ、ピアノ、ベース、ドラムが加わったバンド・サウンドを楽しめるのも、シカゴ・ブルースの魅力です。

女性ボーカルから入りたいなら

力強いボーカルやソウル・ミュージックが好きなら、Etta JamesやBig Mama Thorntonなどがおすすめです。

  • Memphis Minnie『Hoodoo Lady』
  • Etta James『At Last!』
  • Elizabeth Cotten『Folksongs and Instrumentals with Guitar』
  • Big Mama Thornton『Big Mama Thornton with the Muddy Waters Band』

男性ボーカル中心のブルースとは違った、歌の迫力や表現力を楽しむことができます。

現代的な音から入りたいなら

古い録音よりも現代的なサウンドのほうが聴きやすいという人は、Fantastic NegritoやChristone “Kingfish” Ingramなどから入るのもおすすめです。

  • R.L. Burnside『Too Bad Jim』
  • Fantastic Negrito『The Last Days of Oakland』
  • Christone “Kingfish” Ingram『662』
  • Jontavious Willis『Spectacular Class』

伝統的なブルースの要素を残しながら、ロック、ソウル、R&B、ファンクなどを取り入れたサウンドを楽しめます。

まとめ|ブルースは100年以上進化し続けている

ブルースには、古いアコースティック・ブルースから、シカゴ・ブルース、エレクトリック・ブルース、ソウル・ブルース、そして現代的なサウンドまで、さまざまなスタイルがあります。

今回紹介した40枚は、ブルースの歴史を感じられる定番作品から、初心者でも聴きやすい作品、現代のブルースを楽しめる作品まで、幅広く選びました。

「ブルースは何から聴けばいいのかわからない」という人は、まず気になった1枚から聴いてみてください。ギターやハーモニカ、歌声など、好きな音を入口にすると、自分好みのブルースも見つけやすくなります。

1枚気に入った作品が見つかったら、同じアーティストの別作品や、そこから影響を受けたアーティストへと聴き進めていくのもおすすめです。

この40枚をきっかけに、ブルースの奥深い魅力をじっくり楽しんでみてください。

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ミュージックファーストの広報担当Mです。
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