【完全版】レコード用語集!初心者でも迷わない中古レコードの選び方と状態表記の基本

「この用語、どういう意味?」
中古レコード屋さんの値札に並ぶ、呪文のような専門用語。
実は、その意味を知るだけで「本当に良い盤」が自分で選べるようになります。

最近レコードを聴き始めたという方、レコードショップに足を運んでみて「盤にくもり?」「DGって何?」と、値札や説明書きにある専門用語に戸惑ったことはありませんか?

レコードの世界には、独特の用語がたくさんあります。しかし、これらの言葉の意味を知ることは、実は「より良い音」や「価値ある一枚」に出会うための近道なのです。

今回は、レコード初心者の方がまず押さえておきたい基本用語から、コレクターなら知っておきたいマニアックな表記まで、分かりやすく解説します。この記事を読めば、レコード探しがもっと楽しく、スムーズになるはずです!

💡 この記事を読むメリット

  • 中古レコードの値札の意味が100%理解できる
  • 「音質の良い盤」を見分けるポイントがわかる
  • お店のスタッフやコレクターとの会話が楽しくなる

 

1.  ジャケット・付属品に関する用語

レコード盤そのものの作りや、コンディションに関する用語です。音質に直結するものも多いので、しっかりチェックしましょう。

  • 帯(OBI)
    日本盤特有の紙の帯。当時破棄していたり現在綺麗に残っていないケースもあり、帯の有無で希少価値が劇的に変わります。上に付ける「被せ帯」やジャケットと同等サイズのタイプなど種類も様々です。海外コレクターの間でも需要が高く「OBI」として共通言語にもなっています。

    帯についての説明画像

  • 歌詞カード
    歌詞が書かれた別紙。ジャケットと同じぐらいのサイズのカードのようになっているので歌詞カードと言われていますが、お店によっては “歌詞” だけの表記の場合もあります。

  • ライナー (Liner Notes)
    国内盤に付属するライナーノーツの略語で、歌詞とは違いアーティストの紹介・解説文・論評が記載された用紙です。当時の評価や時代背景も知れて面白いです。歌詞カードと同様に欠品だと価値にも影響します。

  • インサート(Insert)
    歌詞カードやライナー、ポスターなどの付属品のこと。つまり、お店によっては それらすべてをインサートとして表記している場合もあり、完品を求めるコレクターには欠かせない要素です。

  • スリーヴ(Sleeve)
    レコード盤を入れる袋のこと。基本的には紙製・ビニール製の内袋をスリーヴとして指す傾向がありますが、お店によってはジャケットそのものを指すこともあります。レコード会社のロゴマークなどが印刷された「カンパニー・スリーヴ」や、スリーヴに歌詞が掲載されている商品もあります。

  • ペラジャケ
    50〜60年代の日本盤によく見られる、薄くて表面がラミネート加工された光沢のあるジャケット。裏面は上下から折り込むようなフリップバック仕様で、当時の雰囲気を色濃く残しています。“ペラジャケ=初期発売=国内盤オリジナル盤かも?” と判断できるため、商品によっては価値にも影響する場合もあります。

    ペラジャケについての説明画像

  • 見開きジャケット(ダブルジャケット)(Gatefold)
    本のように見開ける仕様のジャケットです。歌詞やライナーが別途付属せず、ここへ直接記載されている場合もあります。デザインはいいのですがシミができやすいのがデメリットです。

  • 底抜け
    経年劣化やレコードの重みで、ジャケットの下部が裂けて盤が飛び出してしまう状態。価値が下がるので値段が落ちている理由として記載しています。

    底抜けについての説明画像

  • ウォーターダメージ(Water Damage)
    水濡れによるシミ、カビ、または紙がふやけて波打った跡。ジャケットの美観を損なうため、中古価格に大きく影響します。”WD”と略語で表記するお店もあります。

  • CUT(カット盤)
    輸入盤に多いですが、余剰在庫などの処理としてジャケットの角が切り落とされたり(コーナーカット)、ドリルで穴が開けられた「ドリルホール」などを示します。価値も下がりますのでその分安価に手に入ることが多いです。

    カット盤についての画像説明

 

2.  盤の状態・仕様に関する用語

  • 重量盤(Heavy Vinyl)
    通常のレコード(120g〜140g程度)よりも重い、180gや200gといった厚みのあるレコード。盤の反りに強く、回転が安定するため針が深く溝に入りやすく 音質が非常に安定する とされています。ゆえに『安定=良く聴こえる』つまり “音も良い” と判断する方もいます。

  • 盤にくもり(ビニヤケ)(Cloudy)
    ビニール焼けや長期間の保管状態により、盤面が白く曇って見える状態。お店によっては”ビニール焼け”の短縮用語で”ビニヤケ”と記載するところもあります。見た目だけでなく、チリチリとしたノイズ(塩化ビニール焼けノイズ)の原因になることがあるため、試聴をおすすめします。

    盤のくもりについての画像説明

  • プレスミス(Pressing Error)
    製造過程で生じたミス。盤面に小さな突起(気泡)があったり、溝が正しく刻まれていなかったりすること。見た目はもちろん触れてみてもボコッとした物もあります。針飛びの原因になる場合があり、中古市場では注意が必要です。

  • 見本盤・プロモ(Promo)
    宣伝用に配られた非売品。ジャケットにシールの貼付けやスタンプが押された仕様や、白いラベルの仕様もあります。商品によって価値が変わりまして、通常流通していないジャケットや曲違いなどのプロモ限定仕様だとかなり価値が上がる場合もあります。

  • 白ラベル(White Label / Promo)
    上記「見本盤・プロモ盤」の、白いラベル仕様のレコードです。市販品に比べて金型が新しい初期状態でプレスされることが多く、鮮度の高い音質(オリジナル盤同等またはそれ以上)を提供すると解釈するリスナーもおり、オリジナル盤の中でも最速プレス扱いとして、コレクターが熱心に求めるアイテムです。

    プロモ盤白ラベルについての説明画像

  • レンタル(レンタル落ち)
    レンタル店が在庫処分のために売却した商品。剥がしづらいステッカーの添付、ブックレットのホッチキス除去、使用頻度が高いゆえの状態不良、などの理由で安価で販売されている傾向があります。「見た目は気にしない、聴ければいい」という方には狙い目かも。

  • 赤盤(Red Vinyl)
    60年代の東芝音楽工業(現ユニバーサル)などが採用していた、赤い透明な盤面。静電気が起きにくいと言われ、特にビートルズなどの国内盤で非常に人気が高い仕様です。のちに通常の黒いレコード(黒盤)として再発売されるので、初期プレスという指標にもなります。(ちなみに近年発売の赤いレコードは ”カラー・レコード” として扱われ、赤盤とは言いません)

    赤盤についての説明画像

  • ピクチャー盤(Picture Disc)
    盤面に写真やイラストがプリントされたレコード。観賞用として人気ですが、通常の黒い盤に比べると、構造上ノイズが乗りやすいという側面もあります。流通数が少ない商品も多く、価値としては通常盤よりも高い商品もあります。

    ピクチャー盤についての説明画像

  • 12inch(12インチ・シングル)
    LPと同じ大きさ(直径30cm)ながら、片面に1〜2曲のみを収録したレコード。溝の幅を広く取れるため針が深く入るのでLPよりも音圧が高く、ダンスミュージックや45回転仕様に多いのでDJなどにも重宝されます。元々ジャケットが無くスリーヴのみの商品が多いです。

  • 反り(Warp)
    熱や保管状態により、盤が波打つように曲がってしまうこと。軽度なら再生可能ですが、ひどい場合は針飛びの原因になります。お店によっては針飛びレベルの商品を特価で販売している場合もあるので、どのくらい反っているか 買う前の確認の為に試聴をオススメします。

  • 未開封(Sealed / シールド)
    発売当時のシュリンク(透明ビニール)が解かれていない状態。つまり 新品状態の商品です。中身が新品である保証があり、コレクターズアイテムとして非常に高値で取引されます。

  • シュリンク(Shrink)
    新品時にジャケットを包んでいる透明な外ビニールのこと。未開封とは違い “開封されていてシュリンクのみが付いている場合” に使われます。(もちろん開封されていなければ未開封になります) これがある状態はジャケットの痛みが少ないことが多いため、珍重されます。

    シュリンクについての説明画像

  • stereo(ステレオ盤)
    左右のスピーカーから異なる音が流れる形式。音に広がりや奥行き(立体感)があり、現代の音楽鑑賞では最も一般的な仕様です。60年代後半以降の作品の多くはステレオ録音が主流となりました。

  • mono(モノラル盤)
    主にステレオ以前に主流とされていた録音形式で、左右とも同じ音が鳴り 1つのスピーカー(または中央)から全ての音が聴こえる録音形式。特に50〜60年代のジャズやロックはステレオ盤よりも「音圧が太くて迫力がある」と熱狂的に支持されています。ステレオとモノラルの両方発売されている商品には あえてわかるようにするために明記されています。

  • 自主盤(Private Press)
    メジャーを一切通さず自分たちでお金を出して少量プレスした、超レアで謎めいた無名アーティストのレコード。現在は インディーズの原点 とも言える、ディープなコレクター垂涎のジャンルです。

 

3.  オリジナル盤・鑑定に欠かせない重要用語

ジャズやクラシックのビンテージ盤を探す際によく目にする、通好みの用語です。ここを知るとレコード掘りが一気にマニアックになります。

  • MAT (マトリクス)
    溝ではない盤中央のツルツルしたラベル付近(名称:ランアウト or デッドワックス)に刻印された製造番号を「マトリクス(Matrix)」といい、「MAT:●●」など略語で記載されているお店もあります。これを見ることで、何番目のマスター(原盤)から作られたかがわかります。この番号の若さや刻印の種類などが指標になります。

    マトリクスについての説明画像

  • DG(Deep Groove)
    レーベル面中心近くにある円形の「深溝」のことを指します。主に古い時代のプレス機で作られた証で、オリジナル盤(初版)を見極める重要な指標 になります。

    DGについての説明画像

  • FLAT(フラット盤)
    盤の外周に盛り上がり(グルーブガード)がない、平らな形状のレコード。最初に針を落とす縁部分が平らなのでツルツルしており、通常のレコードに慣れてしまうと針を落とすのが難しいかもしれません。50年代中盤までの非常に古いプレスに見られる特徴で、独特の音の厚みが魅力です。上記DGと同様初版を見極める指標になります。

  • 耳(Ear)
    ジャズの名門「ブルーノート」のオリジナル盤に見られる、耳の形のような刻印。実際は製造会社 Plastylite(プラスティライト)社 の頭文字「P」ですが、これがあるかないかで価値が大きく変わります。

    レコード耳についての説明画像

  • RVG / VAN GELDER
    伝説のエンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーがカッティングを手掛けた証の刻印(またはスタンプ)。「手書きでRVG (通称:手書きRVG)」「スタンプでRVG (RVG刻印)」「スタンプでVAN GELDER (VAN GELDER刻印)」など刻印のタイプによって発売時期の指標になります。なお「手書きRVG」が最も古い刻印とされています。彼が手掛けた盤は「音が太い」と世界中で珍重されています。

    RVG刻印についての説明画像

  • 2EYE / 6EYE
    米Columbiaレーベルのデザイン。「目」のようなロゴ・マークが2つなら2EYE、6つなら6EYEと呼ばれ、リリース年代を特定する基準になります。ちなみに「6EYE」の方が古い時期のプレスです。

    2EYE/6EYEについての説明画像

  • 2EMI(Two EMI Logos)
    主に1971年頃から使われ始めたロゴで、ビートルズのUK盤(Parlophone)の判別などで、EMIのロゴマークが2つ並んでいるデザイン。1つのもの(1EMI)よりも後のプレスであることが多く、年代判別に使われます。主にビートルズの輸入盤などで見かけるかもしれません。

    2EMIについての説明画像

  • ●●ラベル(赤黒ラベル・黄色ラベルなど)
    レーベルの色やデザインのこと。例えばImpulseの「赤黒」やHarvestの「黄色」など、色の組み合わせで初版か再販かを見分けます。

 

4.  再発・規格に関する用語

  • リイシュー(Reissue)
    再発盤のこと。ジャケットは同じでも商品規格番号が違う場合が多いのでそこで判断します。オリジナル盤が高価で手に入らない場合や、新品の綺麗な盤で聴きたいという方に最適です。

  • リプロ(Reproduction)
    オリジナル盤を精巧に模して作られた複製品。リイシュー(再発盤)と違い商品規格番号も一緒だったり、見分けがつかないほど精密に作られた商品も多いです。公式な再発以外に、非公式な海賊版を指す場合もあります。レア盤でプレミア価格なはずなのに極端に安かったらリプロかもしれませんので注意。

  • OJC(Original Jazz Classics)
    80年代以降、名盤ジャズを手頃な価格で再発したシリーズ「Original Jazz Classics」の略語。安価ながら音質が良く、ジャズ入門者にとって非常に信頼できるシリーズです。状態の悪いオリジナル盤を買うぐらいならという理由でOJCを揃える方もいます。

    OJCについての説明画像

5. コンディション表記(グレーディング)について

中古レコードのコンディションは、世界共通の略称で表記されるのが一般的です。それぞれの状態の目安を知っておくと、通販や店頭での失敗がなくなります。
なお、お店によっては+-(プラスとマイナス)で調整していたり、以下の表記ではなくABCなどで対応しているお店もあります。(当店もです)

  • M(Mint / ミント)
    新品同様、または未開封の状態。中古市場では滅多に見かけない最高ランクです。

  • NM(Near Mint / ニアミント)
    ほぼ新品に近い状態。盤面にキズがほとんどなく、ジャケットも非常に綺麗な状態です。

  • EX(Excellent / エクセレント)
    中古品としては「良好」な部類。薄いスレが少しある程度で、音質にもほとんど影響がないレベルです。

  • VG(Very Good / ベリーグッド)
    中古レコードで最も多いボリュームゾーンです。
    ここに注意が必要で、名前に「Good」と付いていますが、実際には「使用感のある中古品」というニュアンスです。盤面には目に見えるキズやスレがあり、静かな曲では「チリチリパチパチ」というノイズが入ることがあります。 しかし、「針飛び(音が飛ぶ)」さえしなければOKという実用重視のリスナーには、価格も手頃で最も楽しまれているランクでもあります。

  • G(Good / グッド) / F(Fair / フェア)
    かなり使い込まれた状態難の商品。大きなキズや強いノイズ、ジャケットの大きな裂け、針飛びの可能性、などがあります。「とにかく安く手に入れたい」「内容だけ確認したい」という場合向きです。

・当店(ミュージックファースト)でのコンディション表記は以下のようにABCで表記しております。参考までに。

当店表記
(Music First)
世界標準表記
A M (Mint)
A / A- M- (Mint Minus)
A- NM (Near Mint)
A- / B VG+ (Very Good Plus)
B VG (Very Good)
B / C VG- (Very Good Minus)
C G (Good)

【💡 コンディション選びのアドバイス】
お店によって基準が若干異なることもありますが、一般的に「ストレスなく鑑賞したいならEX以上」、「多少のノイズもアナログの味として楽しめるならVG」を選ぶのが、レコード選びの失敗しないコツです。不安な時は試聴したりスタッフに聞いてみるのも一番確実ですよ!

 

6.  あわせて読みたい! レコード豆知識コラム

今回の用語集だけでなく、過去にもレコードに関する豆知識コラムを多数執筆しています。これらをあわせて読んでいただくことで、より深くレコードの世界を楽しめるようになるはずです。お時間の許す際に、ぜひチェックしてみてください!

コラム① 「レコードの種類はいくつある?」

日々膨大な数のレコードに目を通しますが、そのサイズや特徴は本当に多岐にわたります。
“レコードが誕生した歴史” から、主に6タイプに分けられるフォーマット(SP、LP、7inch、10inch、12inch、ソノシート)について、「何が違うの?」「どうしてこのサイズなの?」という疑問を詳しく解説しています。
かなり濃厚な内容ですが、読んだ後は「そうだったのか!」という発見がきっとあるはず。特に初心者の方は必見です。



コラム② 「レコードの持ち方はどこを持つのが正解? 長持ちさせる為の正しい扱い方」

私自身も今では無意識にできていますが、最初は持ち方がわからず、本や人の動作を見て覚えた記憶があります。
知っているようで意外と知らない、今さら聞きにくい基礎中の基礎。レコードを傷めないための「正しい持ち方」「長持ちさせる扱い方」について、基本に立ち返ってご紹介します。



コラム③ 「レコードの正しい保管方法をお伝えします! 保管場所や手入れのポイント」

保管方法ひとつで、盤にシミやカビが発生したり、反って聴けなくなったりすることもあるのがレコードの繊細なところ。「大切な一枚をダメにして後悔してほしくない」という思いで書きました。
意外と知らないかもしれない、レコードを一生モノにするための正しい保管・お手入れ術 を伝授します。

 

コラム④ 「レコードが音飛び・針飛びする原因と直し方」

やっとの思いで手に入れたお気に入りの一枚が、キズやプレスミスで針飛びしてしまった時のショックは計り知れません。
このコラムでは「なぜ針飛びが起きるのか」という原因の解明 から、当店独自の視点による「改善案・直し方」までを詳しく解説しています。諦めていたその盤、もしかしたら復活するかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたか?一見難しそうなレコード用語ですが、意味が分かると「この盤は音が良さそうだ」「これは珍しいプレスだ」といった発見があり、レコード掘りがもっと楽しくなります。

わからないことがあれば、ぜひお気軽にスタッフまでお声がけください!