【本日のおすすめ】 Rupert Holmes / Partners In Crime (1979)

【本日のおすすめ】
Rupert Holmes / Partners In Crime (1979)

中古価格と内容の良さは必ずしも比例しない。ありふれているからといって箸にも棒にもかからないということもない。

今回のおすすめは、出会いやすいし買いやすいけど内容抜群のレコード。ルパート・ホームズのヨットロック~AOR名作です。

AORと言ってもソフト路線。もともと裏方的なソングライターであるルパート。この人の歌声は力みがなく、至ってジェントルでとても聴きやすい。別段上手いわけでもないけど、しっかり歌心があるんです。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でも流れた表題曲が有名ですが、その他にも……

性急なブラジリアン調で仕事の合間の昼休憩をユーモラスに描く空腹ラブストーリー「Lunch Hour」。ハングリ、ハングリ、ハングリー~♪

レゲエのリズムと洗練されたコード進行が気持ちよくてリピートしがちな「Drop It」。

クラクションを模した音が都会の風景を呼ぶ、超名曲「Him」。ストリングス・アレンジも絶品。ブリッジでの水分を含んだボカリーズがエモーショナルで素晴らしくって、こっちも胸に混み上がるものがある。

留守番電話のプッシュ音とビープ音を爽快にはめ込んだモダン・ポップ気味の「Answering Machine」。

……といった具合に曲調の幅もしっかりあり。なおかつ全曲フックが用意されていて、流石職業作家だなって思います。軽妙洒脱。これぞニューヨーカー(出身は英国だけど)?AORというよりソフィスティ・ポップ寄りだし、個人的にはバート・バカラック~パディ・マクアルーンの系譜なんじゃないかなとも。

あ、職業作家で思い出しましたが、後に執筆稼業に専念することになるルパートの、ストーリー・テリングの妙味が冴えた歌詞も要注目です。韻も踏みまくっているから聴いていて面白いですよ。

(選・文:A.K.)