【本日のおすすめ】 Jimmy Eat World / Bleed American (2001)
【本日のおすすめ】
Jimmy Eat World / Bleed American (2001)
「エモい」という言葉が世間一般に広まって久しいですが、JEWのこの4thが出なかったとしたら、もしかしたらそうはなっていなかったのかも知れません。
ナイーブな線の細さと静かにこみ上げる激情が初期EMOならば、今作はEMO2.と呼ぶべきもの。胸板の分厚い咆哮、振り上げた握り拳。ウォーウォーというシンガロング。ある世代以降にとってのEMO像、エモさを立ち上げた、まさしくEMOのゲームチェンジャー。
彼らの3rd「Clarity」(名盤)から本4thへの飛翔がいかに大きなものだったか。ナードだけでなくジョックも泣くことを許した、という表現をどこかで目にした気がしますが、あまりにしっくりくる。
メロコア育ちの自分にとって、泣きの「Sweetness」が刺さって仕方ない。ミドルテンポの曲も12月にぴったりのホーリーな雰囲気に彩られていて綺麗。
ストレートに風穴を開ける美メロとエモーション。この性急さと感傷が今も残響する。
(recommendation & text by A.K.)
p.s.
そういえば今年上映されたジェームズ・ガン監督版「スーパーマン」で、クラーク・ケントが恋人のロイス・レインとパンク観をめぐって意見が食い違うシーンがありました。ロイスにとっては、多分NYパンク的なものを指すのでしょうが、クラークにとってのそれはJEWなんだろうな、と自分は想像しています(実際、ガン監督のキャラクター別プレイリストに入れられていたし、クラークはカンザス=EMOの象徴たるミッドウェストで育っている)。クラーク・ケント、めっちゃわかるよ。
