【本日のオススメ】Nina Simone / Nina Simone And Piano! (1969)
公民権運動にブレーキがかかった時期に世に出たこのアルバム。
ここに収録されているランディ・ニューマン作「I think it’s going to rain today」。
美しいメロディになんとなく穏やかそうな詩、優しくて心が安らぐわあ…、くらいに思ってましたが今では人種差別問題に対する諦めと絶望を歌ったものだと受け止めてます。
メロディと雰囲気からはそんなことなさそうなんですけど。
ランディ・ニューマンって人は見かけの言葉の意味やメロディに罠を仕掛けることがままあるのですが、そのままの意味で受け取られたり誤解されることも多かったみたいです。
この曲でも例えば「Human kindness is overflowing And I think it’s going to rain today」という歌詞。
そのままだと「人々の親切が溢れている」という事になるのですが、ここでは「偽善」と考えるほうがわたしはしっくり来ます。
そうすると次に来る「だから今日は雨が降ると思う」という詩が「今日も酷い日になりそうだ」という感じに受け取ることができます。優しくて心が安らぐ曲ではなさそうです。
そのほかの”スケアクロウ”や”蒼白く死んだ月”といった隠喩が意味するところはまだ分からないので良いランディ・ニューマンの書籍でもあれば読んでみたいですけど。
ランディ・ニューマンのバージョンでは救いのない感じで終わるのですが、ニーナ・シモンはラストに「I think it’s going to rain today」ではなく「I “hope” it’s going to rain today Yeah」と歌うとこ。
ここが最高。ほんと最高。
雨降れと。「みんな同じ目に逢ってめちゃくちゃになってしまえばいい」くらいの感じに聴こえます。
辛く悲しい出来事が起きるとそのシチュエーションを思いっきり体験してやろう、という気になります。
そんなときは何度も聴きます。そんな時は滅多にないのですけど。
オススメです。(岩井)
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