【本日のおすすめ】 CFCF / On Vacation (2016)

【本日のおすすめ】
CFCF / On Vacation (2016)

端正で美しい、モダン – コンテンポラリーな音のインテリア。

2009年からコンスタントにアンビエントの良作を作り続け、進化し続けるカナダの職人=CFCFことマイケル・シルヴァーの2016年作品。

バレアリックの顔役といえるマーク・バロット主催のInternational Feelからのリリースです。その情報から期待されるような、心地よいサウンドが織り込まれています。

シンセサイザーの静謐なパッド音、オーガニックに重なるミニマル調ギター、海中で振れる錨のイメージにも似たベース。

おおよそニューエイジと呼ばれるタイプの、ここ10年ほどのリバイバル・トレンドがこの時点でいっぱい詰まっています。

もうちょっと具体的に、音楽のコーパスを探索してみるなら……スウェーデンのStudio「West Coast」や、元Emeraldsのマーク・マクガイアのソロとか。それと、Last Resortレーベルの流麗なアンビエント・ジャズにも並べて全く遜色ないと思います。

部屋に薄く漂わせるシダーウッドのアロマ。あるいは外の自然と建築の内部とをゆるやかに、穏やかに接続する採光の試み。そういった、日常の中にささやかなにラグジュアリーを備えようとする心の映り込んだ、水鏡の音楽。

今作の前後に出しているCFCFのアルバムも素敵でおすすめです。

(recommendation & text by A.K.)