【本日のおすすめ】 Danny Wilson / Meet Danny Wilson (1987)

【本日のおすすめ】
Danny Wilson / Meet Danny Wilson (1987)

皆さんは音楽映画って好きですか?人気のある作品いっぱいありますよね。

最近「はじまりのうた」を観たんですが、劇中歌があまりに良くってびっくりしました。作曲したのは元々New Radicalsというバンドをやっていた人らしく。聴いてみたらそちらもすごく良かったんです。

良い音楽を知れてラッキー♪・・・いや待って。この人をフックアップしたのってたぶん監督だよね。ということは、同じ監督の別作品でも似たような出会いができるんじゃ・・・?というひらめき。

調べてみると、ジョン・カーニー監督、あの「シング・ストリート 未来へのうた」を撮っていた人ではありませんか!映画の舞台は80年代のアイルランドで、当時のヒット曲も流れるけど、書き下ろしの劇中歌もちゃんとある。書いているのは、カーニー監督自身と、ゲイリー・クラークという人物。このゲイリー・クラークが80年代に組んでいたのがDanny Wilsonというバンドなのでした。

うん、やっぱりひらめきは当たっていたよ。爽やかで、お洒落で、親しみやすい。洗練されたポップミュージック – 海外ではsophisti-popと呼ぶみたい – がいっぱい詰まっていて。

瑞々しいネオアコ・サウンド。でもそれだけじゃない。Steely Danから影響を受けた凝ったコード進行、バート・バカラックも背後に透けて見えるソフトでふくよかなアレンジ。5曲目ではプラスチックなボサノバだって披露してみせる。

洗練されているけど振り切れすぎない。庶民派感覚、なんだと思う(スコットランドの土地柄なのかな)。でもこのバランス感覚って実はかなり稀有なものなんじゃないかなって。このアルバムから四半世紀経って「シング・ストリート」が多くの観客を魅了したのがその証拠なんだと思うのです。

「シングストリート」で感動した人も、ぜひDanny Wilson聴いてみて!

(recommendation & text by A.K.)