【本日のおすすめ】 細野晴臣 / N . D . E (1995)
【本日のおすすめ】
細野晴臣 / N . D . E (1995)
CDがまとまって入ったので、今回のおすすめは細野晴臣ディスコグラフィの中から選んでみました。
細野氏の90年代というとアンビエント・テクノ期。「Medicine Compilation~」や「Naga」と並ぶ名作だし、自分が語るなら絶対外せない。
独自のアブストラクト・ダブ路線を見出していたビル・ラズウェルと、マドンナ「Vogue」とYMO「テクノドン」のミックスも手掛けたゴウ・ホトダ、そして名エンジニアの寺田康彦が参加。それぞれの才能が遺憾なく発揮されたサウンドは理想的なコラボレーション・ワークという他なく。
タンブーラの流れるラーガに立体的なフェイジングが施され、亜空間化していく冒頭。そこからもう、深いメディテーション状態へと陥落。ヒプノティックなダウンテンポの流れに枕し、半覚醒の白川夜船。
丸みを帯びて沈み込む低音はツボを押さえたままバウンス。気持ちE~~~。エスニック、というかインド音楽の要素が随所で香るところに細野氏の魔術師然とした振る舞いを確認できるといいますか。音だけならサイバネティックと言えそうなのに、本質構造がオーガニックなんです。
M5はこのジャケットを見た瞬間脳内再生されるくらいメロディの際立ったピュア・アンビエント・テクノ名曲。数年後の砂原良徳「LOVEBEAT」の青写真かと思いたくもなる無重力トラック。極楽、極楽。
N.D.EとはNear Death Experience、すなわち臨死体験の意。なるほどこれは・・・いや、そんな体験したことないですけど、まあ多分そうなのでしょう。
細野晴臣っていっぱいアルバムあるし、真っ黒なジャケットでなんとなくスルーしていた、というか存在を気にもしていなかった方もいる気がして。音のマインド・マッサージ、ぜひお試しあれ。
(recommendation & text by A.K.)