【本日のおすすめ】Cecil Leuter / Pop Electronique (1969)
【本日のおすすめ】
Cecil Leuter / Pop Electronique (1969)
このシンプル&グラフィカルなアートワーク。
当時レトロフューチャーなものに魅力を感じていた自分は、栄町ビルにあった頃のバナナレコード本店でCDをジャケ買いしました。
Cecil Leuter(たぶんセシル・リュテールと読む)…うーん、全然知らないや。
曲名は全部Pop Electronic No.X(X=1~14)で統一されていて、これもまたミステリアス。
そしてこの白黒ジャケット。初期実験アニメーション~SFな雰囲気もあり、何とも言えず好奇心をくすぐられて。
詳細も特に調べないまま再生ボタンをオン……電撃走る。
ファンキーに炸裂するドラムブレイク、スクラッチを模倣したようにも聴こえるキュッキュというフェティッシュなムーグ。痺れる。もはやヒップホップじゃん。60年代末のフランスにプロト・ヒップホップあったんだ。
トラック1でこれだけの興奮を味わえたのに、A面の続く6トラックも電熱式ヒップサイケ・チューンの応酬。
グルーヴィ&グルーヴィ。同時期のPierre Henry「Psyche Rock」への呼応も汲み取れます。
高揚感、持続しっぱなし。
ところがB面に入ると様子が変わり、明快なメロディは後退してバッドトリップ気味の奇妙な雰囲気に。
月並みな表現ではありますが、A面が陽ならB面は陰。
ピュアにトぶムーグサウンドが静物的にコーディネートされて、こちらの精神状態はストーンドの向きへと変容していく。ジス・イズ・アシッド。最高です。
この出会いの後、StereolabやBroadcastの存在や、ライブラリー~モンド方面でたくさんの作品を出していたRoger Rogerなる名前のプロジェクトとCecil Leuterが同一人物であることを知るのですが、それはまた別のお話。
(recommendation & text by A.K.)