【本日のおすすめ】 Maroon 5 / Hands All Over (2010)
【本日のおすすめ】
Maroon 5 / Hands All Over (2010)
最近、久しぶりに大きな映画館に行きました。迫力のある画面サイズと音響で鑑賞する。やっぱり良いですね。
さて、本編が始まる前の予告編で流れてきたのがキーラ・ナイトレイ主演の「はじまりのうた」。
2014年の作品ですが、公開10周年記念のリバイバル上映とのこと。
そこで一瞬流れたメロディに不意を突かれたのです。
”えっ、良いじゃん。”
帰って調べてみると、メインキャストの一人がマルーン5のフロントマン=アダム・レヴィーンで、彼の歌う劇中歌「Lost Stars」や「A Higher Place」に心を打ちぬかれてしまったのでした。
アダムって魅力的なボーカルだったんだと改めて認識するに至り。
ならばマルーン5も真正面から聞いてみるっきゃないなと。
……といった経緯がありまして、今自分の中では密かに(?)ブーム到来中。
さて、今回ご紹介するのは2010年の3rdアルバム。
作品ごとに色を変える彼ら。代名詞である1stはソウル色が強く、4thはマックス・マーティンら外部の作家を招く形でEDM(もはや死語か)に、6th以降は現行のR&Bスタイルにも転身して見せました。
そういったディスコグラフィにあって地味な印象も受けるかも知れませんが、なかなかどうして格好いい。
なんてったってプロデューサーはAC/DCも手掛けたロバート・ジョン・”マット”・ラング。
いざお店で流したら、分厚くグルーヴする冒頭の「Misery」で海外のお客様がディグしながらノリノリでリズムを取っていて。
”こういうことなんだよな”っていう説得力しかない光景だった。
その他も振り切れて豪快なRock’n’Soul’n’Popなナンバーが並び、力強いバンドサウンドとそれに負けないアダムの色気のある声が一気呵成に聴かせます。
スタジアム・ロックとしてのタフネス。膨大なオーディエンスを惹きつけるフックの効いたメロディ。
当初はセールスが振るわず、徐々に売れていったという1stみたいな道を辿ったらしいのですが、本当に?と首を傾げちゃいますね。
変化を恐れないこと(それも大文字のPOPへの)。というのはアダム自身が語った美学。
それは僕がかつて夢中になっていたインディーロックともまた別ベクトルのものだった。
でも、確かな魅力があって。
それこそ最初に書いたくだりの、大きな映画館の気持ち良さと通ずるお話。
キャッチーな輝きに存外眩暈を覚えたのは、あるいはかつて嵌らなかったパズルに対して自分の精神の形が変わったから(変えているから)。……とも思えて面白いのです。
p.s.
間もなく出るニューアルバム「Love Is Like」、楽しみにしています。
(recommendation & text by A.K.)