【本日のおすすめ】 NO ARTIST / ストレスマネージメント 空港 (発売年不明)
【本日のおすすめ】
NO ARTIST / ストレスマネージメント 空港 (発売年不明)
品出しをしようとCDを仕分けていて思わず手を止めた一枚。
いろんなシチュエーションなりストレス解消なりを謳いながらも中身はクラシック音楽というCDは多いですが、その中にも変異種というのは紛れているもの。
ジャケットにはアーティスト名がない代わりに現地録音ナチュラル・サウンドとの表記が。
フィールドレコーディングなんだな、と眺めてたら”ロケーション – 国際線デッキにて”とあるではないですか。
空港のフィーレコ?
訝しげながら再生してみると静寂・・・から離陸するジェット音が立ち昇って。
はい、紛れもないそれでした。
「空港と音楽」といったらイーノを連想しないわけがありませんが、ジェット音そのままをアンビエントとして捉える発想はなかったな・・・。
かつ、(牽強付会ではあるけど)Music For Airportは(ノイズとしての環境音と混ざることも意図に含めながらの)静的な音楽でしたが、この録音はシーンが遷移する動的なもの。
冒頭、飛翔するジェット音が轟轟と響き、それが遠のくとリーリーと夜の虫の鳴き声が浮かび上がってきます(まさかの空港場外!?でも滑走路に入るわけにはいかないから納得も)。
やがて空港内に入って、BGMのムード音楽が薄っすらと流れ、人々の気配も。
BGMが突如中断して、女性スタッフの搭乗アナウンスに切り替わります(録音は1992年なのですが、そのアナウンスのイントネーションにトレンディなものを、時代の空気を感じたのもまた事実)。
アナウンスが終わると再びムードBGMに戻り、ラウンジの外側から籠ったジェット音がドローン気味にインサート・・・そしてループへ。
でも10分くらいからハンドベル風合成音の簡素なインストが重ねられ始め、純フィーレコじゃなかったのかよ・・・と裏切られつつ、そのメロディもやはりトレンディを帯びていて。
「ドラマ&ドリームシーン。」のワードがジャケットにあしらわれているのに合点がいくのでした。
シュトゥックハウゼンのヘリコプター弦楽四重奏曲を聴いて以来、乗り物サウンドで鎮静効果があるとすれば航空系はインダストリアルが過ぎてあり得ないだろう・・・という自分の固定観念を氷解してくれたCD。
vaporwaveが好きな方ならmallsoft~signalwaveの疑似プロトタイプとして試してみてもいいかも知れませんね。
A E S T H E T I Cなデザインに惹かれたのならどうぞ。
(recommendation & text by A.K.)
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