【本日のオススメ】 Terence Boylan / S.T. (1977)

 ボストンのメガヒットアルバムやリンダ・ロンシュタットなどを手掛け、イーグルスの面々とも交流がある名プロデューサーのジョン・ボイラン。今回はその実弟でもあるSSW テレンス・ボイランのソロ作の御紹介です。

 以前の作品ではフォーキーなロックアルバムといった内容だったものの、今回ではアサイラムレーベルのイメージにマッチするプレAOR的な爽やかな仕上がりとなっています。

 参加メンバーもドン・ヘンリー,ティモシー・B・シュミットのイーグルス2人と、大学時代にはテレンスとバンドを組んでいたドナルド・フェイゲンが客演。
サウンド的にもイーグルスとスティリー・ダンと足して割った感じで、歌いっぷりはアサイラムの同僚ジャクソン・ブラウンを少し軽くしたイメージでしょうか。またこの作品がスティーヴ・ルカサーの初レコーディングだそうです。ヴィクター・フェルドマン,ジェイ・ワインディングもいい仕事ぶりです。

 旧友フェイゲンがピアノで参加したオープナー①は、ディーン・パークスの爽快なギターが印象的なミディアムチューン。伸びやかなテレンスのヴォーカルも素晴らしいの一言。優しく優美なメロディが印象的な②もイアン・マシューズがカヴァーした好ナンバー。
 ④は愛と平和を歌ったメッセージソング的な1曲。ここでは前途のように若きルカサーも参加。美しいローズ・ピアノのイントロからグルーヴィーな展開な⑤では、ティモシー・B・シュミットのハーモニーが最高。傷つきやすい若者の気持ちをテレンスがジャクソン・ブラウンばりに歌い上げています。
 ⑦は個人的には大好きなナンバー。ギターのイントロから引き込まれ、サビへ至る流れがドラマティック。ディーン・パークスのギターソロとフリートウッド・マックを想起させるコーラスワークが聴きどころ。コーラスにはドン・ヘンリーの名前もクレジットされています。

 AOR黎明期に生まれた爽やかな西海岸からの風が感じられる名作です。(山口)


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