【約70タイトル掲載!】 80年代メタル・レコードの『 どうしてそうなった?!』脱力イラスト・ジャケット集!
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『本気(マジ)が伝説に』
熱量が沸点を越えてとんでもないジャケットが生まれていたメタル・レコードたち、それが80年代。

始めて聴いた洋楽はメタリカで、当時兄がジャーマン・メタルを聴いていたこともありメタルを全肯定、BURRN!誌の点数を毎月チェックしないと落ち着かなかった幼少期をリアル体験済み。血と骨は鋼鉄メタルでできていると思いたい、片山です。
さて、今回のコラムはメタルのジャケットについて。
しかも80年代というメタル創設期で、かつレコード時代のジャケットについてです。
自分がこの辺のメタルと聴いていた頃はまだ若かったこともあり当時は何とも思っていなかったジャケット・デザイン。
かっこよくてもダサくてもこんなもんだろなと興味すらあまりなく。
音が重要!あくまでもジャケットは目印のようなもの、そんな解釈だったのかもしれません。
年もとり、メタル以外のジャンルを聴くようになり、音だけではなくジャケットの重要さも感じるようにもなりました。
ましてやレコードに興味がでてくると、CD以上に大きいサイズゆえに手に取ってデザインの素晴らしさを目の当たりにするじゃないですか。
そしてそれぞれ特有のジャンル・センスに気付くんですよね。
シティポップはこんな感じ、ディスコはこんな感じ、ジャズはこんな感じ、とか。
で、メタルになると黒革、金属文字、悪魔、モンスター、ロボット、骸骨、バイク、地獄絵図。
そして時代関係なく「これが良いのだ」という我が道を突き進むマイウェイ感。近年のジャケットもファッションも大きく変動のない揺ぎ無き世界。それがメタル道。
でもそこが熱いじゃないか!と自分は思っていて。
何事も周りを顧みず放出するセンスの魂。ピュアで全力で本気。かっこいいなと。
80年代のメタルのジャケットはとにかく熱量があるんですよ。
あと「どうしてこうなった…?」「なんだこれは…?」といった謎なジャケも多い笑
90年代以降のジャケットはデザイン技術も発達し確信的に作った感じがして 個人的にはあまり魅力的に感じないのですが、80年代のジャケットは手作り感というか人間味があっていいなと。(あと行ってまえ的な勢いも凄い)
暴走フルスロットル!アー写よりもイラストの自由度でヤバさが全開に放出!
さてさて、そんな80年代のメタル・ジャケットですが、大きくは2パターンに分かれてます。
ひとつはアーティスト本人が写る「アー写版」
で、もうひとつが今回取り上げる「イラスト版」となります。
このイラスト版、実は他ジャンル以上に理にかなっていて。
何故かというとメタルにはファンタジー感が重要で。悪魔や骸骨ってリアルじゃ無理じゃないですか。(90年代以降は本物の●●なども使用したりしてますがそれは先のお話)
そのファンタジー感を表すにはやはりイラストにならざるを得ないなと。
イラストだったら自由度がありますからね。そのアルバムや作品のイメージをデザイナーに伝えて無茶苦茶にぶっ飛んだジャケットを作れる。
そして本人たちになのかメーカーになのかは分かりませんが、もちろん見て決めるわけですよね。
いくつか作って選んでもらったのか一撃入魂で決めたのか。で、出来上がったのがコレなのか??と想像しただけでもワクワクしますね。
そして何故これにOKを出したのかと笑
実は●●と●●のジャケットが同じデザイナーだった!
メタルのイラスト・ジャケとなると有名なのはメイデンのジャケットに毎作のように登場する「エディ」、
ジューダスの背徳の掟で襲い掛かってくる機械獣「メタリオン」、メガデスのグラサン・モンスター「ヴィック・ラトルヘッド」などなど。
こういったメンバーではない架空のキャラクターをマスコット的に出現することで バンドのイメージやインパクトなどにも影響していたものです。
「エディ」をデザインした人の名前は デレク・リッグス
「メタリオン」をデザインした人の名前は ダグ・ジョンソン
「ヴィック・ラトルヘッド」をデザインした人の名前は エド・レプカ ※原案はデイヴ・ムステイン本人(!!)
で、気になったので少し調べてみたのですが、それ以外のメタル・ジャケットも手掛けていたことがわかりました。
しかも意外なタイトルもあるし「そういわれてみれば」といった点と点が繋がるような伏線回収作品もありました。なるほど。
デレク・リッグスが手掛けたジャケット
- Budgie – Nightflight (1982)
- Destiny – Atomic Winter (1988)
- Gamma Ray – Power Plant(1999)
ダグ・ジョンソンが手掛けたジャケット
- Velvet Underground – Live At Max’s Kansas City (1972)
- Bo Diddley – Where It All Began (1972)
- Cory Daye – Cory And Me (1979)
エド・レプカが手掛けたジャケット
- Nuclear Assault – Game Over (1986)
- Vio-Lence – Eternal Nightmare (1988)
- Death – Spiritual Healing(1990)
ほうほうほう、これは面白い。ダグ・ジョンソンはメタル系よりも他ジャンルをメインに手掛けていたようですし、エド・レプカはスラッシュ&デス系を結構手掛けていたようです。
それぞれが手掛けた作品情報はウィキペディアやサイトに一覧などが掲載されていたので、気になる方はそちらも要チェック!
◆デレク・リッグスの日本版ウィキペディア(作品リストあり)
◆ダグ・ジョンソンの作品サイト ※英語版かつ他ジャンルの作品です
◆エド・レプカの英語版ウィキペディア(作品リストあり)
帯もメタリックに攻め滾る! メタルの帯世界
ジャケット同様、日本の文化でもある帯の邦題にも熱いタイトルが多数ありすよね。
メタルといえば他のジャンルと差別化するように「地獄」「悪魔」「鋼鉄」などイメージをより強化する意味でも付いていたようにも思います。
テーマを分けてちょいと代表的なのをピックアップしてみました。
※この項目についてはイラスト版ジャケットに限らずアー写版ジャケットも取り上げてます。
・地獄 シリーズ

主にキッスとAC/DCが多いこのシリーズ。ただ他のアーティストはあまり使っていないのにビックリ。
・悪魔 シリーズ
自分が勝手にイメージしていただけで、ほとんどの作品の帯邦題はカタカナで直訳といったタイトルがかなり多いようでした。
鋼鉄は「アイアン・メイデン/鋼鉄の処女」「モーターヘッド/鋼鉄の稲妻」「サムソン/鋼鉄の戦士」「サムソン/鋼鉄の掟」、魔人とかも「W.A.S.P./魔人伝」と「サムソン/魔人襲来」ぐらいで意外に少ないんですよね。
てかAC/DCやモーターヘッドやサムソンしかり、使うアーティストは使うし、色々なパターンにも手を付ける感じも再発見しました。(アーティストなのかメーカーなのかわかりませんが、何らかの戦略だんたんですかね)
漠然としてましたが、てっきりもっとあるのかと思っていたので調べてスッキリしました。
ちなみに邦題に関しては以前に書いた「 7インチ国内盤シングルレコードの『オモシロ邦題の世界』 」というコラムで「そもそも邦題はどうやって誕生した?」に触れつつ、洋楽のつっこみどころのある邦題シングルを60タイトルほど集めて、キラーすぎるHR/HMの国内盤シングルも一緒に紹介しています。興味ございましたらそちらもチェックしていただけたら嬉しいです!
さてさてさて~、話を戻しまして。それではその狂おしいジャケットを一緒に観てみましょう!



