バンドTシャツ特集!バンTの歴史・ブームやスタッフ達の私物Tシャツも紹介!
CONTENTS
バンドTシャツブーム到来中!
ここ数年、ヴィンテージTシャツが大きなブームになっていますね!
著名人が自身のYouTubeで一着何十万円もするTシャツを自慢していたり、テレビ番組でも特集が組まれたり…価格の高騰も続いているようです。
特にバンドや映画、アニメなどポップカルチャーのTシャツは大人気で、ファストファッションブランドからも多くのTシャツが発売されています。
数年前、Joy Division / Unknown PleasuresのTシャツがGUから発売された時はとっても驚きました!
音楽好きが反応してニヤニヤするTシャツだった気がしますが、今や街中で見かけることも少なくありません。
あのジャケットがイオンの中にあるGUに陳列されていると思うと、少しおかしいですね。
2020年代になって日本のファストファッションブランドまでたどり着く、時代を超える秀逸なジャケットデザインです。
バンドTシャツの歴史に迫る!
今ではバンドのグッズで必ずと言っていいほど販売されているTシャツですが、その起源について調べてみたのでご紹介いたします。
バンドTシャツがメジャーなアイテムになったのは70年代、ビル・グレアムとグレイトフル・デッドによる影響で一気に広まっていきます。
ビル・グレアムは1965年、サンフランシスコにフィルモア・オーディトリアムというライブハウスを立ち上げ、ロックバンドやイベント企画において多大なる功績を収めた伝説のプロモーターです。グレイトフル・デッドをはじめ、数多くのバンドのプロモーションやマネジメントを担当しました。
ビル・グレアムはバンドのプロモーションの一環でポスターやTシャツの販売を提案し、世界初の音楽Tシャツメーカーを設立。そして70年代後半、グレイトフル・デッドが数万人規模のライブを行う際、記念品として爆発的な人気を誇ったのがこのバンドTシャツでした。
ファン(デッド・ヘッズ)によるブートのTシャツが流行していたのも影響し、バンドTシャツのビジネスモデルが確立、ライブイベントのグッズとして定番化していきます。
近年のバンドTシャツブームはなぜ起きた?
数年前から古着やヴィンテージTシャツのブームが続いています。90年代の日本アニメもヴィンテージ扱いとなり価格が高騰。そして、バンドTシャツもこのブームの渦中にあります。日本アニメと同様、90年代のロックバンドのTシャツがヴィンテージ扱いとなり、価格が高騰している状況です。
また、古着だけにとどまらず、家具、雑貨、おもちゃなど、様々な業界で「ヴィンテージ」「レトロ」といったキーワードが流行しているように感じます。
我々が生業とするレコードもその中の一つと言えるかもしれません。
そして、このブームを加速度的に広げているのがSNSの存在です。
ここ数年で、著名人が古着を紹介するYouTube動画をよく目にするようになりました。一本の動画で数万~数十万と再生されますので、大きな影響を与えていることは間違いないでしょう。
レコード店スタッフがバンTブームに思う事
動画を見ていると、中にはそのバンドのことを知らず、デザインや稀少性に価値を見出して着用している人も少なくないようです。
数十万もするバンドTシャツを、「曲は聞いたことない!」と面白おかしく紹介するYouTube動画を目にしたときは、悶々としながらそのバンドのMVをコメント欄にそっと貼り付けました。
レコード店スタッフとしては、音楽も聞いてくれ!と叫びたくなりますが、そこは歯を食いしばってグッと我慢します。
その動画を見た数万人の中から一人でも曲を聞いてくれたなら、そして音楽を好きになってくれたらなら…それは素晴らしい出会いです。
バンドTシャツの流行からレコードまで辿り着いてくれることを心から祈っています。
スタッフ私物バンドTシャツ紹介
このようなめんどくさい事を考えているレコード店のスタッフは、一体どんなバンドTシャツを持っているのでしょうか?
ミュージックファーストのスタッフは皆、音楽を偏愛しています。
このスタッフ達なら、面白いTシャツを持っているだろう、そして、その熱い想いも聞けるだろう、ということで、自慢のTシャツを紹介してもらいました。
1. The Kinks / 『DAYS』Tシャツ
通販で購入した、大好きなキンクスのDAYS Tシャツ。
ロゴやジャケがそのまま使われていることが多いキンクスですが、とても好きな曲『DAYS』のニュージーランド盤のシングルレコード・デザインを採用した「あえて」のセンスが良し。
アメコミ風の立体フォントやモノクロのメンバー、そして新品なのに少しヨレた素材など、ヴィンテージTシャツの雰囲気もありお気に入りの一着です。
(スタッフ : kata)
kata氏執筆のキンクス愛溢れるコラムは必見です!
コラム「ザ・キンクス」
2. Billy Wooten / シングルレコードとセット販売されたTシャツ
好きなアーティストなのでという理由だけで、これは完全にコレクション用に買った一着。
ビビッドなピンク文字のバンTが自分の年齢に似合っていないのではないかと感じてしまいますが、いつの日か羞恥心を越えて着てみたいとタイミングを見計らっています。
(スタッフ : kata)
着れなくても買ってしまうのがバンドTシャツ。
筆者としては気にせず着ても良いのに、と思ってしまいますが、本人が羞恥心を乗り越えられることを願っています。
3. New Power Generation / 2018年ツアーグッズ
ついぞ叶わなかった生プリンス、でもバックバンドのNew Power Generationは来てくれた。なかなかにダサいデザインだったのでスルーするつもりだったが、終盤の「Let’s Go Crazy」を聴いていたら「クレイジーになりたい」と思ってしまい、手っ取り早くクレイジーになれるアイテムとして購入。買ってすぐ着てアンコールは「パープル・レイン」、当然手にはNPG公演限定カクテル「パープル・レイン」。完璧。
今では部屋着として活躍しており、着るたびにあの素晴らしい夜を想い出せる。買ってよかった。
(スタッフ : 岩井)
音楽を聴くと、聴いていた時のことを思い出したりしますが、Tシャツにもそんなパワーがありますね。
思い入れが強ければなおさらです。
岩井氏のプリンス愛溢れる【本日のオススメ】記事はこちら
【本日のオススメ】PRINCE/HITNRUN Phase Two(2015)
4. シーナ&ザ・ロケッツ / ツアーグッズ
大須で日も高いうちからレコード屋巡り&飲みに出かけたら飲み屋の顔馴染みが「今日クアトロでシナロケ行くんだ~」と言っていた。たまたまレコ屋で鮎川誠の「ROKKET SIZE」をゲットしていたのでこれも何かの縁!と思いダメ元で当日券狙って付いて行ったら入れた。サンハウスの菊さんも来ていた。
シーナが天国へ行ってしまってそんなに時は経っていなかったと思う。せっかくだしサイン貰おうと思い列に並び「ROKKET SIZE」を差し出すと「ツアーグッズやなかばってん、サインしちゃらんぞ」叱られ慌てて購入したのがこのいかしたTシャツ。列に並びなおしてようやく順番が来たがペンのインクが切れかかっており、ほぼ見えないサインが描かれている。オイ~ッ!と恐る恐るつっこんでみたら鮎川さんも菊さんも心から申し訳無さそうだったことをよく覚えている。大切な想い出。
(スタッフ : 岩井)
何か不思議な力が働いているようなエピソードと、鮎川さんの人柄が感じられるエピソードが聞けて、このコラムを執筆して良かったな、と思う筆者です。天国でもバンドをやっているであろう、お二人のライブも見てみたいものです。
5. THE POLICE / デビュー30周年Liveグッズ@京セラドーム大阪
僕にとっては、最高のスリーピースバンドで大好きなロックバンド。夢中になった頃には、誰もが再結成なんて0%と思っていたバンドが、奇跡の復活で夢のような体感したひとときが、このTシャツにいっぱいつまっています。今でも着ればLIVE1曲目の「孤独のメッセージ」のイントロを思い出します。
(スタッフ : オモ)
2008年に行われた再結成ツアー来日公演のグッズ。
もう見れないな、と思っていたアーティストがLIVEをする、そしてその場面に居合わせることができた感動が伝わってきます。
6. RAMONES / 1990年来日ツアーグッズ@名古屋クラブ・クアトロ
爆音のラモーンズ初体験から今まで着続けているTシャツは、退色とポロボロ感が増すばかりで、年々手放せない僕のパンク・アイテム。
(スタッフ : オモ)
30年以上経っても好きで居続けて、大切に着続けたからこそのエイジング。
完璧なヴィンテージ・パンクTシャツです。
7. INOYAMALAND / 『DANZINDAN-POJIDON』Tシャツ
環境音楽の名作、イノヤマランドの1stがリマスター再発されると、続いてTシャツも発売されました。作品自体が好きなのもありますが、ジャケットの天気図がままプリントされているのが見逃せなかった。天気予報デザイン大好き。
いざ届いてわくわく。実際に着てみまして。……鮮やかすぎる緑色、全然着こなせない。これで外出は難易度高い。いや、当たり前のことですが……買ったときは何か血迷っていたのでしょうね。でもやっぱりデザインは好き。現在は見て癒される観葉植物状態です。(……もしかしてアンビエントTシャツとして正しい使い方なのかも?)
(スタッフ : A.K.)
Tシャツとの相性ってあると思います。どんなに好きなジャケットでも、Tシャツにするとイマイチ、なんてことも。ただこのデザインはTシャツととっても親和性が高くて素敵です。
現在は”見るTシャツ”として機能しているようですが、是非着ているところも見てみたいです。
8. BILLY JOEL / 『Turn the Lights Back On』Tシャツ
ビリー・ジョエルの魅力にはまったのは去年のこと。親に『The Stranger』の口笛を聴かされて育った身としては遅かったな……と思いつつ、ディスコグラフィをチェックしていたら17年ぶりの新曲『Turn the Lights Back On』が発表されたのでした。
歳月を重ねたピアノマン。オーセンティックなメロディとアレンジ。シンプルで懐深く、情感のこもった歌。混乱と惨劇と分断が加速する時代にあって、自分の胸にとても力強く響いて。Tシャツも買わずにいられなかったのです。これからを生きていくために……というのは大仰だけど、希望を持つという意味でも袖を通していく。
(スタッフ : A.K.)
身に着けることでメッセージを発信したり、意味を持たせることができるのはTシャツの魅力の一つです。
音楽を聴いてメッセージを受け取り、Tシャツを着て表現する。とっても素敵。
9. Terry Riley / 88歳バースデーコンサート in 水戸 グッズTシャツ
テリー・ライリー88歳バースデー・コンサートを水戸まで見に行きました。テリー氏と誕生日が同じで勝手にシンパシーを感じており、誕生日プレゼントとしてたくさん買ったグッズのうちのひとつです。息子さんがギターを弾かれていて、演奏も素晴らしかったです。
(スタッフ : I)
名古屋から水戸のライブに足を運ぶのはなかなか出来る事ではありません。
それだけで好きが詰まっている、素晴らしいTシャツ!
10. RF & LILI DE LA MORA / グッズTシャツ
RF & LILI DE LA MORAの来日公演を名古屋のライブハウス「K.D.ハポン」で見ました。きれいなサウンド・演奏でとても感動し、涙が出たのを覚えています。
(スタッフ : I)
ハポンって独特な空間です。木造で全体的に優しい雰囲気がありますが、ステージがなく、フロアライブのような迫力ある演奏が体験できたり、吹き抜けの2階席からは美味しいカレーを食べながらゆっくりとライブを楽しむことができます。
RF & LILI DE LA MORAのエレクトロニカなサウンドにもとってもマッチしていたに違いありません。
11. Vampire Weekend / ブートTシャツ
VAMPIRE WEEKENDは僕が学生の頃に1stが出て、そこからリアルタイムで追い続けている、一番思い入れがあるバンドと言っても過言ではありません。
ソニックに強めの発言をさせ、タイダイ染め。僕の手に渡ってきたのも、友人のバンドが物販コーナーにこのTシャツを置いていて、僕が救出した。
デザインから購入ルートまで全てがブートのお気に入りブートTシャツです。
(ノザキ : 著者)
12. Pavement / 2023年来日ツアーグッズ@なんばHatch
ここではペイヴメントが一番かっこいいロック・バンドだと言い切らせてください。
ヘロヘロなボーカル、逆立ちするドラマー、タンバリン担当メンバー、ふざけてんの、って思うけど、このひょうひょうとした雰囲気、決して王道のかっこいいではないローファイ感が自分にフィットしてしまいました。
もう見れないと諦めていましたが、単独での来日が決まり即チケットを購入。
ライブは言わずもがな最高でした。相変わらずふざけているようなスティーブン・マルクマスのステージング、ニコニコでタンバリンを叩くボブ、ただ、鳴ってる音はロック・バンドのそれで、完全にやられてしまいました。
Tシャツは、アメリカがペイヴメントになっている、ペイヴメント的おふざけがGOODのデザインです。
(ノザキ : 著者)
最後に~大好きなバンドTシャツを着よう~
我々スタッフの音楽に対する熱い想いは伝わったでしょうか?
Tシャツ一つにもたくさんのストーリーがあって私自身とても楽しませてもらいました。
皆様も、タンスの肥やしになっているバンドTシャツがあれば、一度手に取って思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。そして、大好きなバンドTシャツを着て、レコード店やライブへ足を運んでみてください。
この夏はバンドTシャツで決まり!
最後まで読んでいただきありがとうございました。