レゲエCD 買取価格付 ディスク・レビュー
CONTENTS
レゲエとプリンスと味噌煮込みうどんがあれば生きていけると思っている岩井と申します。
ありがたいことにスカやロックステディ、レゲエのレコードを買取らせていただくケースが少しずつですが増えてきております。
しかしCDの買い取りとなるとかなり稀。
私は2000年代にレゲエのCDを頻繁に購入していました。CDショップでも結構販売していましたし、輸入盤、国内盤問わずリイシューや素晴らしいコンピレーションのリリースも盛んでしたので結構な量を買っていた記憶が。
しかし集めたCDもサブスクリプションの波には勝てず聴く頻度が減ってゆき、手元に残しておきたいものを除いて整理したんですよ。その際に売り先に悩んだのですが「レゲエ CD求む」的な情報ってなかなか無かったのです。その時は結局知り合いが貰い受けてくれてくれましたが、そうでなければどう処分していたか…。
そこでですね、かつての私のような方がどこかにいたとして「レゲエのCDを求めているというメッセージを発信してみたら当店を見つけてもらえるのでは?」と。
そんなこんなで当コラム、書かせていただきました。
以前先輩スタッフが執筆したメタルの買取コラムに倣い、買取価格だけでなくレビューも載せるという伝統を踏襲させていただきました。全100タイトル、価格とともにレビューもお愉しみいただければ。
※レビューはシンガー/ディージェイ/ボーカル・グループ/グループ/インストゥルメンタル/ダブ/コンピレーションというカテゴリに分け、アルファベット順に並んでいます。シンコー・ミュージックから出ている鈴木孝弥さん監修の「ルーツ・ロック・レゲエ」を参考にカテゴリ分けさせていただきました。
レゲエCD 買取価格付きディスク・レビュー
・当店での現時点の買取金額になります。
・盤質とジャケットの状態は一般的な中古品を基準にした金額になります。
シンガー
レゲエの花形、シンガー。アーティストの数、リリース量共に多いためセレクト数も当コラム最多の33タイトル。スタジオ・ワンの作品が多くなってしまいました。好きなので。
Alton Ellis / Be True To Yourself Anthology 1965-1973 / TJDDD205
600円買取
ロックステディ期のみならず時代を越えて愛されるシンガー、アルトン・エリスの全盛期を網羅する全56曲を収録。スタジオ・ワンやトレジャー・アイルなどのレーベルをまたがって集められた有名曲からレアな曲まで、スカからロックステディ、初期レゲエの時代まで。これさえあればアルトン・エリスの魅力が十分わかるナイスコンピ。
Barrington Levy / Poorman Style / CTCD 0125
500円買取
82年作。その歌声はカナリアのように美しいと言われたバーリントン・リーヴィ。70年代のルーツ・レゲエとは明らかに違う初期ダンスホール・レゲエ 。少し鼻にかかった伸びのある声にルーツ・ラディクスのタメのあるトラックがたまらない。エンジニアはサイエンティスト。間違いなし。
Beres Hammond / Soul Reggae / CY-75336
500円買取
76年作。Zap Powを抜けた後のソロ・デビュー・アルバム。レゲエ曲が少ない作品なので最初は「ん?」と思いましたが米国のソウル・ミュージックと比べても引けを取らないアルバムだということに気づき今では愛聴盤。アメリカで録ったのかと思いきやバックの演奏もジャマイカのミュージシャンによるもの。ベレスの代表作品ではないと思うけどぜひ載せたかった1枚。
Bitty Mclean & The Supersonics / On Bond Street Kgn. JA. / PTI CD002
600円買取
2004年作。トミー・マクック率いるスーパー・ソニックスが60年代後期にトレジャー・アイルに残したトラックが蘇る。レゲエ界隈の外でもエイミー・ワインハウスやアデル、ラファエル・サディークといったヴィンテージ・サウンドが流行、今ロックステディやらなきゃいつやるのっていう最高のタイミングで出た本作。古い音源を使っているのに新鮮に聴こえるのはトラックの持つ魅力に加え彼の瑞々しい歌によるものも大きい。ビッティー・マクリーンはこのあとTAXI(スライ&ロビー)と組んでこれまた素晴らしい作品を残してます。
ボブ・マーリー & ザ・ウェイラーズ / キャッチ・ア・ファイアー<デラックス・エディション> / UICY-94585
1,100円買取
73年作。ボブ・マーリー、そしてレゲエを世界に知らしめた歴史的アルバム。このCDリイシューでは世界市場向けの耳ざわりの良すぎるサウンドに加工される前のオリジナル・ジャマイカン・バージョンも聴くことができる。ジャマイカン・バージョンが正式に世に出たのはこの時が初。
ザ・ボリス・ガーディナー・ハプニング / スレッジハンマー / OVE0049
300円買取
75年作。シンガーだけでなくプロデューサーや様々な楽器も演奏できるマルチな才能の持ち主のボリス。ファンク/ソウル・ミュージックを愛するボリスが作った最高のソウルフル・レゲエ・アルバム。これまでにCD化したのは日本のオーバーヒートだけ、LPのリイシューも無い様子。ボリスはこのあと黄金期のブラック・アークにてアップセッターズのベーシストとしてリー・ペリーのために働きまくります。あのベースもこのベースもソウル・ブラザー、ボリス・ガーディナーによるもの。
Bunny Wailer / Rock ‘N’ Groove / TAFCD 1010
500円買取
81年作。活動の場も音楽性も国際的になっていったボブ・マーリー、ピーター・トッシュと比べるとジャマイカのローカルサウンドからずっと離れないイメージのあるバニー。このアルバムは初期ダンスホール・サウンドとバニーの陽性なバイブスがマッチする良作。バニーはダンス・ミュージックがはまります。マイナーなレーベルからのCDはオリジナル収録曲の順番もシャッフルされている上になぜか90年代の曲が挟み込まれており、尺が縮められている曲もある。ぜひ正式な形でのCD化してもらえるとありがたい。
Burning Spear / Sounds From The Burning Spear / SJR CD 101
600円買取
70年代前半、スタジオ・ワン時代の2つのアルバムの曲やレア・シングルをまとめたもの。この直後アイランドからリリースされるスケール感のある作品も素晴らしいですが、サウンド・ディメンションのトラックにスピアーのあの歌声。この頃が一番良い、と思ってしまう。ファンキーな”This Race”、”Rocking Time”、強力でミニマルなヘヴィ・ルーツ”Joe Frazier(He Prayed)”、美しく素朴な”Down By The Riverside”など名曲揃い踏み。リマスターでもしたのか音も良い。スタワンのスピアーはスピリチュアル。
Candy McKenzie / Lee‘Scratch’Perry Presents Candy McKenzie / SPECORIG1014
400円買取
77年作。UK出身のキャンディ・マッケンジー、ブラック・アーク産ラヴァーズ・ロック。どのような理由があったのかお蔵入りとなってしまい、2011年にようやくリリースされた作品。
リズム・ボックスが胡散臭さ満点の”Disco Fits”、ダスティ・スプリングフィールド”Breakfast in Bed”カバー、リー・ペリーが書いたと思うと微笑ましいキュートなラヴァーズ”Ice Cream”。キャンディのすっきりとした歌声と癖のあるサウンドとの相性が思いのほか素晴らしい。日の目を見ることができて本当によかった。
Chronixx / Chronology / CDV 3167
600円買取
2017年作。2012年頃から注目を集め、14年にリリースしたEP「Dread & Terrible」が話題に。プロトジェイ、ジェシー・ロイヤル、ジャー・ナイン、カバカ・ピラミッドらと共にレゲエ・リバイバル・ムーブメントを巻き起こしたシンガー、クロニクスの満を持しての1stアルバム。ルーツの精神を継承しつつ現代的なサウンドをバランス良く配置。古い曲の引用やオマージュも、はたまたEDM的なサウンドを取り入れた曲も、見事に一つの作品として収まっている。
Cocoa Tea / The Sweet Sound Of Cocoa Tea / VP 4123
300円買取
2025年3月に亡くなってしまった偉大なシンガー、ココ・ティー。私自身よく聴いたアメリカの老舗VPレコーズの人気シリーズ「Reggae Anthology」をセレクト。80年代中頃からの20年間キャリアをまとめた36曲入り。ヴォルケーノ、ジャミーズ、エクスターミネーターといったレーベルの曲をシンプルに時系列で並べてあり「やっぱりヴォルケーノやジャミーズの音が好き」とか「”Pirates Anthem”は別格」とか時代ごとの移り変わりも楽しめるところも◎。
Dennis Brown / If I Follow My Heart / SOCD1119
500円買取
71年作。若干14歳とは思えない滑らかな歌声にコントロールの効いたビブラート、曲のグルーヴを捉えたフレージングに踊らされる。スタジオ・ワン作品、バックは多分ジャッキー・ミットゥーのサウンド・ディメンション。演奏もノッてます。ジャマイカ、英語圏、キューバやスペインのヒット曲カバーが多いがカバーという気はしない。完璧にモノにしている。この後大スターとなっていく片鱗は十分にうかがえる素晴らしい出来。
Freddie McGregor / Bobby Bobylon / HEARTBEAT 11661-7815-2
400円買取
79年作、にしては音が古いのは「70年代に制作した曲をまとめたアルバムだから」という話もあれば「経営が傾いていたスタワンには新しいトラックを制作することができず古いトラックで新曲を作っていたから」という話もある。だからなんだ、めちゃくちゃ良い。ブルース/ソウルフィーリング溢れる歌いっぷりに惚れ惚れ。このCD化ではエクステンデッド・ミックス等のボーナス・トラックも充実。
Garnett Silk / Reggae Anthology: Music Is The Rod / VP 1693.2
400円買取
90年代初頭にデジタル・Bやペントハウスといったレーベルを中心に活躍、各プロデューサーやトラック・メイカーたちと共にダンスホール・レゲエシーンにルーツ回帰という大きな流れを作った早逝のカリスマ・シンガー。単にヒット曲を並べただけではない彼の魅力が伝わる素晴らしい選曲。当時のダンスホール・シーンを彩ったトラックも素晴らしい。結婚するやつがいれば”Place In Your Heart”や”Nothing Can Divide Us”、母の日が近づけば”Mama”とかかけてくれるやつなんかもいました。コンシャスなメッセージ、名古屋にも届いてます。
Gregory Isaacs / Extra Classic / TJCCD268
600円買取
78年作。リー・ペリー他複数のプロデューサー、バックバンドも複数というわけでテイストにバラつきはあるものの良いアルバム。二大政党の抗争、もはや内戦状態といった状況下で制作された”Mr.Cop”や”Black A Kill Black”、”Warriors”といった曲はラヴァーズ・シンガーとは違う一面を見せてくれる。スムースな歌い口に漂う”この人怒らせたらヤバいことになる感”に痺れます。このトロージャンからのCDリイシューではダブ・バージョン等ボーナストラック11曲追加。
Horace Andy / Feel Good All Over (Anthology 1970-1976) / TJDDD037
400円買取
ホレス・アンディ、70年~76年にリリースした曲が2枚組全46曲のボリュームで聴ける。「You Are My Angel」、「Get Wise」等のアルバム収録曲を中心に”Nice and Easy”のようなシングル曲(ダブ・バージョンも)も収録。Nice And Easyのダブが聴けるのはちょっとめずらしいかも。バニー・リー、ナイニー・ジ・オブザーバー&フィル・プラットといったプロデューサーの違いも楽しめる。CDのメリットはこういうところ。
Horace Andy / Dance Hall Style / WRCD 1383
400円買取
82年作。マッシヴ・アタックへの参加から現在までの、レゲエシンガーとしてはかなり個性的なキャリアのきっかけとなったであろう作品。この頃のワッキーズのサウンドはどの作品も尋常ではない素晴らしさ、ホレスの歌声との相性は特に。この98年の再発CDではオリジナルLPに収録されていた”Eating Mess”も収録されている(ジャケットに表記は無いが入っている)。
Jacob Miller / Who Say Jah No Dread / VPGSCD7035
400円買取
オーガスタス・パブロのレーベル、ロッカーズにジェイコブ・ミラーが残した曲をまとめたベスト盤。曲自体は74~75年に制作されたもの。92年の初リリース時は12曲入りだったがこのVPレコーズからの再発盤ではダブ・バージョンも加え22曲に。”Baby I Love You So”と”King Tubby Meets Rockers Uptown”を続けて聴けるのが嬉しい。パブロの元でのスピリチュアルなジェイコブもいい。
John Holt / 1000 Volts Of Holt / 1796949
400円買取
73年作。選曲はポップスやヒット曲カバー、アレンジはとことんソフト。レゲエのハードコアな部分を漂白し海の向こうで売ろうという…。本気で取り組んだのだろうと思われるハイクオリティなイージー・リスニング・レゲエに仕上がってます。”イパネマの娘”や”ミスター・ボージャングル”は数あるカバーの中でもかなり好きなほう。このCDはトロージャンからの再発、デラックス・エディション。ジャマイカン・ミックスやレア音源を追加した2枚組49曲。甘すぎて胸やけしそうな大ボリューム。
Johnny Osbourne / Truths And Rights / 11661-7840-2
600円買取
79年作。前述のフレディ・マクレガー同様スタワンの古いトラックを使用して制作された作品。スピナーズの”I’ll Be Around”を72年にスタワンでオーティス・ゲイルがカバーした時のトラックを使用した”We Need Love”やソウル・ヴェンダーズ”Swing Easy”使いの”Can’t Buy Love”、アル・キャンベル”Take A Ride”使いのタイトル曲など、彼の代表曲となっていく曲も多数収録。この米ハートビートからの再発CDではボーナス・トラックとしてダブ・スペシャリスト(シルヴァン・モリス)によるダブや、ダブと接続したエクステンデッド・バージョンも収録されている。
ジュニア・マーヴィン / ポリスとコソ泥+5 / UICY-6856
300円買取
77年作。パンクバンド、ザ・クラッシュからこのアルバムにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。この名作、本編についてはわたしから何か申すことなど無し。このCDリイシューではボーナストラックが素晴らしく、後半ディリンジャーのトースティングが絡む”Roots Train”やカーティス・メイフィールドカバー”Rasta Get Ready”など良曲目白押し。10曲しか入っていないLPが物足りなく感じるほど。
Keith Hudson / Flesh Of My Skin Blood Of My Blood / BRATRACD-1005
600円買取
74年作。どろっどろにサイケデリックな1曲目”Hunting”から一転妙に明るいR&B調の”Flesh Of My Skin”、素朴なアレンジのボブ・ディランカバー”I Shall Be Released”、ダークなメロディカ・ルーツ・インスト”Stabiliser”などなど、ちゃんとした曲に仕上げる前の、なにかが誕生した瞬間をそのまま切り取ったような味わいが素晴らしい。ベーシック・チャンネルのレゲエ/ダブ再発レーベル、ベーシック・リプレイからの再発CDはオリジナルに一切の追加曲なし、良いと思います。
Ken Boothe / Crying Over You – Anthology 1963-1978 / CDTRD 453-Z
400円買取
スカの時代から活躍するケン・ブースの全盛期を網羅する49曲ベスト盤。ほかにもベスト盤はありますがスカ~ロックステディ期の曲とレゲエ期の曲が半々くらい良いバランスの選曲のベスト盤。キャリア最初期のストレンジャー・コールとのシングルから始まり最後は”You’re No Good”でビシッとしめる、リスペクトフルな曲順も◎。
Kiddus I / Rockers: Graduation In Zion 1978-1980 / DSR CD 001
500円買取
映画「ロッカーズ」のワンシーン。スタジオで”Graduation In Zion”を歌うシーンで「誰や…かっこいいんやが」となるも映画サントラでしか名前を見つけることができず困っていた頃に出た1枚。長年ミステリアスな存在だったが07年に日本のダブ・ストア・レコーズがレーベル初のリリースとして78〜78年に録音された曲をまとめてリリースしてくれた。どの曲も「ロッカーズ」印象通りの素晴らしいルーツ・ロック・レゲエ。埋もれていたのが信じられない。戦うレゲエの最高峰。
Koffee / Gifted / 19439880732
600円買取
2022年作。シンガーではなくシングジェイ。ウサイン・ボルトに捧げられたシングル”Legend”がバイラル・ヒット。その後も”Raggamuffin”、”Throne”と期待を超えるシングルをリリースし2020年にはミニ・アルバム「Rapture」でグラミー受賞。ヒップホップ、R&B、アフロビーツ、トラップの要素を飲み込んだサウンド、フロウは明らかに新世代。パンデミックの最中に制作されたであろう本作は彼女の初フル・アルバム。「Rapture」で見せたアグレッシブなフロウは控えめ、優しくしなやかな力強さを湛えた作品に。
Marcia Griffiths / Play Me Sweet And Nice / TJACD335
400円買取
74年作。欧米のソウル/ポップスカバー、恋愛をテーマにした曲が多く後のラヴァーズ・ロックにつながる作品としても評価されている作品。この再発CDではボーナストラックとして14曲追加、ロックステディ~初期レゲエ期に録った”Don’t Let Me Down”や”Band Of Gold”、”It’s Too Late”といった珠玉のカバーが含まれているというなんとも素晴らしい内容。
マックス・ロメオ / ウォー・イン・ア・バビロン +10 / UICY-6855
300円買取
76年作。ジュニア・マーヴィンの「Police and thieves」に並ぶ有名作。”+10”というのはマックス・ロメオのセルフ・プロデュースによる次作「Reconstruction」のこと。それぞれ別のCDで聴きたいような気もするけれどお得なのは間違いない。2作品が隣接しているのでリー・ペリーの作る音の個性が分かりやすく、そういう意味でとても良い配置。
ピーター・トッシュ / 解禁せよ / SRCS-6230
300円買取
ボブ・マーリーよりも過激、反体制的、ハードコア、といった紹介をされることが多い本作。夏、南国、ラブ&ピースというイメージとは違うレゲエを求めた時、序盤で手に取るであろう作品。ソロ1作目にしてすでにジャマイカ・ローカルの流行からは遠く離れ、世界を見据えた凝ったアレンジの楽曲が並ぶ。そんな中でもやはりタイトル曲は別格。昨今では様々な国で解禁されちゃってるので今さら…とは思えど曲が、音が、歌声がどうしようもなくかっこいいのです。
Phyllis Dillon / Midnight Confessions: Classic Rocksteady And Reggae 1967-71 / WESA 856
400円買取
ロックステディの人気シンガー、フィリス・ディロンの67年~71年にリリースされた曲を集めたもの。欧米ソウル/ポップスカバーの中に埋もれないオリジナル曲も素晴らしい。そんな中でもホープトン・ルイスとのデュエット曲”On The Right Track”が特に素晴らしい。トレジャー・アイルからの曲が多いので演奏はトミー・マクック率いるスーパー・ソニックスか。洗練された都会的なソウル/R&Bが好みだったというレーベルオーナーであるデューク・リードのセンスの良さがよく分かる。
Sugar Minott / Lovers Rock / ROLCD004
400円買取
渋いルーツレゲエ作と迷いましたが日本独自企画ということでこのCDをセレクト。80年代にシュガー・マイノットのレーベル、ブラックルーツからリリースされたシュガー自身のラヴァーズ・ロック・ディスコミックスや未CD化曲を集めたもの。同時リリースの「Roots Lovers」と合わせて素晴らしいラヴァーズ・ロック企画盤。とはいえあくまで彼の一側面、硬派なシュガー・マイノットも聴いてみていただけると嬉しい。
スーザン・カドガン / ソウルフル・レゲエ / VICP-64070
400円買取
92年作。マッド・プロフェッサーのレーベル、アリワからリリースしたラヴァーズ・ロック作。知名度でいえば75年にリー・ペリーと制作した前作の方が上ですが本作もなかなか◎。ほぼ引退同然だったスーザンを口説いたマッド教授流石。アリワのトラックとスーザンの声は相性良すぎです。ロネッツ、フリーダ・パインにアル・グリーン、ビージーズにアトランティック・スターほか全てカバー曲。ディオンヌ・ワーウィックの「Say A Little Prayer」は聴きごたえ充分の後半ダブ接続7分越え。
Tenor Saw / Fever / BMCD 013
500円買取
85年作。若くして亡くなってしまった天才シンガー。4年間という短いキャリアながらダンスホール・レゲエ黎明期に強烈なインパクトを残していったテナー・ソウ唯一のソロ・アルバム。曲のキーをわざと外して歌うアウト・オブ・キーという唱法(コーラスのラインを主メロディとして歌うようなもの)でも有名。この唱法による浮遊感や不安定さが醸し出す緊張感が妖しく危険、めちゃくちゃかっこいいです。この再発CDではピーター・ケミストによるものと思われる絶品ダブなどボーナストラック8曲収録。
Wayne Wonder / S.T. / VPCD 1159
500円買取
91年作。ドノヴァン・ジャーメインのレーベル”ペントハウス”の看板シンガー。デイブ・ケリーやロビー・リン、スティーリー&クリーヴィーら90’sダンスホール・レゲエを支えた面子が作る都会的なトラックに甘く爽やかなウェインの声が良く合います。バングルズの”Eternal Flame”カバーは永遠のフェイバリット。ラヴァーズで甘々な曲に交じるグラウンド・ビートな”One Night”、ラストのアン・ヴォーグ”Hold On”カバーがアルバムをビシッと引き締めていて◎
ディージェイ
サウンド・システムの司会芸が発展していったディージェイ。時代ごとの変化が激しいこのスタイル、シンガーよりもストリート寄りでエキサイティング。12タイトルをセレクト。
Big Youth / Natty Universal Dread 1973-1979 / BAFCD 034
500円買取
ディージェイ黎明期から活躍する一人、ビッグ・ユースの73年~79年のルーツ・レゲエ黄金時代にリリースされたシングル曲を時系列でまとめてある3枚組コンピレーション。レア音源や未発表曲も多く収録。レアってだけじゃなくビッグ・ユースの勢いのあるディージェイが楽しめる良曲ばかり。収録されている”Weeping In The Night”や”Chucky No Lucky”を聴いてみて欲しい。アグレッシヴで豪快なディージェイイングが生むグルーヴは唯一無二。
Bounty Killer / Nah No Mercy (The Warlord Scrolls) / VPCD1741-2
200円買取
ゲットー育ち、攻撃的なフロウとコンシャスなリリックというバッドマン(硬派)スタイルで一気にトップに駆け上がったバウンティ・キラーの92年~2002年までのヒット曲をまとめたベスト・アルバム。ラスタの影響はあるものの宗教色は無く、あくまでストリート、ゲットーの一員としてメッセージを放つ漢気スーパースター。私が若いころはヒップホップやパンクと一緒に「レゲエ?ボンティ(バウンティ・キラーのこと)良いよね」っていうやんちゃな男の子がちょこちょこ居ました。当然リリックの意味なんかほとんど分からないのですがヒップホップやパンクに共通するなにかを感じ取ってたのかも。しかし性的マイノリティに対する過激な発言に関するニュースで度々ニュースになるのがもったいない。いちファンとしては見守るしかない。
ブジュ・バンタン / ティル・シャイロ / PHCR-1787
200円買取
95年作。バウンティ・キラーのような攻撃的なスターが生まれた一方でスラックネスで人気を博していたブジュはラスタに改宗、ダンスホールとルーツ・レゲエの精神を融合させ評価されたアルバム。特に”Untold Stories”はシンプルなアコースティックギターにブジュの胸が熱くなる詩とトースティングが乗る、これからも永く聴かれ続けるであろう素晴らしい曲。最高峰のダンスホール・ディージェイであることを示す”Champion”、ラブ・ソングなら”Wanna Be Loved”、そのほかリミックスを含む完成度の高い曲が17曲並ぶ記念碑的アルバム。バウンティ・キラーとは対照的に性的マイノリティへの差別的な過去曲を自身のカタログから削除するなどのアクションを起こしている。
ダミアン “ジュニア・ゴング” マーリー / ウェルカム・トゥ・ジャムロック / UICU-1101
200円買取
2005年作。大ヒット、グラミー受賞作。幅広いスタイルの曲が並び一部では散漫、という評価もあるようですが私は好き。飽きずに最後まで聴けます。アイニ・カモーゼの曲をサンプリングしたタイトル曲はもちろん兄貴スティーブン・マーリーとの”All Night”、新鮮なアレンジで父の曲をカバーした”Pimpa’s Paradise”。軟派チューン”Hey Girl “、先輩バウンティー・キラーの使いどころが完璧すぎる”Khaki Suit”などなどヤバい曲が多数。その他のゲストも豪華。
Dennis Alcapone & Lizzy /Soul To Soul – D.J’s Choice / CDTRL 356
400円買取
73年作。U-ロイやビッグ・ユースと並び最初期から活躍したディージェイのデニス・アルカポーンの企画アルバム。リジーというディージェイと連名、なにかしらのコンセプトがあるように思うのですが詳細不明。ジャケットが好きなのでセレクト。ロックステディや初期レゲエトラックに乗るデニスの、リジーの、そして二人のコンビネーション・ディージェイがルーディで◎。ケン・パーカー”I Can’t See”使いの”Ba Ba Ri Ba Skank”はイントロ聴くだけで大騒ぎなキラーチューン。
リントン・クウェシ・ジョンソン / フォーシズ・オブ・ヴィクトリー / UICY-76904
400円買取
79年作。ディージェイでは無くポエトリー・リーディングの人。ルーツを訪ねればは同じ場所にたどり着くはずなのでディージェイ枠に。あまり日本には伝わってこないイギリスでの人種差別問題。デニス・ボーヴェル等によるタイトで抑制の聴いた演奏はLKJの言葉をダイレクトに伝える最高のメディア。”Sonny’s Lettha”で語られるストーリーは時代的にも地理的にも遠い私の中にも怒りの感情が沸き上がるほど。とはいえ最初は「めちゃくちゃカッコいいレゲエ見つけた!」というピュアな動機で購入、そのおかげで色々読んだり調べたり。色々な面で素晴らしい作品。
ランキン・アン / スライス・オブ・イングリッシュ・トースト+サムシング・フィッシー・ゴーイン・オン / OTLCD-5214
500円買取
英国レゲエシーンで活躍した女性ディージェイ、ランキン・アンがマッド・プロフェッサーのアリワから82年と84年にリリースした2作品の2in1。アナログ感溢れるトラックの元ネタはアリワ初期を彩るシンガー達の楽曲。シスター・オードリーの”English Girl”やトニー・ベンジャミン”Psychological Pen”、ダヴィーナ・ストーンの”Lonly”などのトラックが使われてはいるがマッド教授の容赦ないダブ処理済み。その上に乗るランキン・アンの体温低め+謎エフェクトがかかったトースティングはヒップホップで言うところのイル。メッセージはコンシャス。
Shabba Ranks / Reggae Legends / GRE 2056
300円買取
グリーンスリーヴスが出してくれていたレゲエ・レジェンズ・シリーズからシャバ・ランクス。売れていたことや派手なPV等から軟派なイメージがあり敬遠していたがクラブで聴いた”Twice My Age”を気に入ってしまい当時出ていたこちらを購入。キャリア初期88年~92年頃、「Just Reality」、「Rappin’ With The Ladies」、「Golden Touch」、「Mr Maximum」という4作のアルバムをまとめたもの。オーガスタス・クラークのミュージック・ワークスから出た「Rappin’ With The Ladies」と「Mr Maximum」が特に良い。強力すぎるトラックをねじ伏せるシャバのトースティングと華やかなシンガー達とのコントラストが効いた楽曲が盛りだくさん。
Sister Nancy / One, Two… / WRCD 0039
1,000円買取
82年作。ジャマイカ初の女性ディージェイ、シスター・ナンシー。本作収録の”Bam Bam”はそこらじゅうでサンプリングされる超有名ネタ。アルバムも未だに人気。甘すぎず凛とした声、バウンシーで柔いフローはいま聴いても新鮮。アウト・オブ・キー的なディージェイを聴かせる”Aint No Stopping Nancy”、”Coward Of The Country”といった曲の危なっかしい魅力はこの人にしか出せない。”Bam Bam”以外の曲も素晴らしく人気が衰えないのも納得。
Super Cat / Sweets For My Sweet / 762185627921
600円買取
88年作。すでにかなり90’sなサウンド。鼻にかかった声と独特のグルーヴのあるトースティングは「声だけでフロアを動かせる」と言われたほど。コンシャスなテーマからスラックネス、ラブソングからギャングスタ、女性リスペクトなどなど矛盾しそうなほど多彩なテーマも全て飲み込む。この後のヒップホップ界とのコラボレーションも良いけどこの時期の200%ダンスホールなスーパー・キャットが一番イケている。色々と恐ろしい噂もある人だが真相ははたして…。音楽が素晴らしいだけに複雑。
U-ロイ / ドレッド・イン・ア・バビロン / QIAG-70026
500円買取
75年作。レゲエ・ディージェイのパイオニア、U-ロイの3rdアルバム。古典中の古典なのでレゲエ教養として聴いておくべき、なんてことは一切思いません。単純にカッコいいので然るべきタイミングで各々U-ロイと出会うはず。パイオニアはカッコいい。カッコよくなかったら流行りもしない。私はチョーズン・フューの”Queen Majesty”をベースにしたと思われる”Chalice In The Palace”でU-ロイにやられました。ピックアップしたのは国内リイシュー盤SHM-CD。
Yellowman / Zungguzungguguzungguzeng / GREL CD 57
200円買取
83年作。80’sダンスホール・レゲエ界のスーパースター、イエローマン。スラックネス(下ネタ)やユーモア溢れるリリック、コミカルなパフォーマンスで人気を博したそうで。当時のライブ映像でイエローマンが何か歌うだけで観客が大盛り上がりしてる様子が印象的。女性ファンが多かったのには驚いた。この時期のダンスホール・レゲエの楽しさが伝わってくるような10曲。うち7曲はファットヘッドとのコンビネーション曲。イエローマンとの相性抜群で◎。ジャマイカ人でアルビノという想像も及ばないハンディキャップをスラックネスで乗り越えるなんて粋すぎる。
ボーカル・グループ
インプレッションズのようなコーラスグループに人気も高かったジャマイカ、当然コーラスグループも沢山生まれました。ボーカル・デュオ、ディージェイ・コンビも含め11タイトルをセレクト。
The Abyssinians / Satta Massagana / CD HB 120
400円買取
75年作。カールトン・アンド・ザ・シューズの”シューズの方の2人+1″の三人組グループ。”Satta Massagana”収録の有名作。このHeartbeat盤にはオリジナル未収録曲のボーナス・トラック入りでこれらの楽曲たちのかっこいいことといったらもう。特にオススメは”Leggo Beast”。このタップリゆったりなベースライン、まさにルーツ・レゲエ。ボーナス・トラックも含め全編にわたって丁寧なアレンジが行き届く、圧倒的な風格を持った名盤です。
アルシア・アンド・ドナ / アップタウン・トップ・ランキング / UICY-77382
400円買取
78年作。アルトン・エリスの”I’m Still In Love”のリメイク・リディムに二人の気怠そうな掛け合いボーカルがはまっているタイトル曲がヒット。可愛いくてカッコ良い、素晴らしいデュオだったがこの1枚だけで姿を消してしまったた。10代だった二人はその後普通に学業に戻ったという話もあるが、そういうドライなところも魅力的。
ブラック・ユフル / アンセム / P27D-10073
500円買取
83年作。大胆に導入されたデジタルサウンド。ジャマイカやロンドンのローカル・レゲエシーンの求める音ではなかったと思うが嫌いじゃない、むしろ大好き。コンパス・ポイント・スタジオのクリアなサウンドは大都市のディスコ/クラブで歓迎されたんじゃないだろうか。
カールトン・アンド・ザ・シューズ /ディス・ハート・オブ・マイン / IPM8024
1,000円買取
82年作。レゲエのみならず幅広い層の胸に響いてしまう”Give Me Little More”で有名な本作。リリース当時はあまり売れず、90年代前半に再発見したのが日本のレーベル、オーバーヒート。世界に先駆けて行ったCD化が今日の評価につながったのは間違いなし。オーバーヒート盤の青く陰のあるジャケットも素晴らしいですがここではオリジナルに忠実なInpartmaint Inc.からの紙ジャケ再発をチョイスしました。
Clint Eastwood & General Saint / Two Bad D.J. / GREWCD24
500円買取
81年作。それぞれに活躍していた二人のディージェイのコンビ。ジャマイカでは異端に映ったようですけどイギリスで大ブレイク。ユーモラスな掛け合いとコミカルなアクション、演出で人気を博しテレビにも出演。軽薄、セルアウトとも見えてしまうその姿勢には賛否もあったでしょうけどね、彼らなりの戦い方をしていたんだと思います。脂乗りまくりの時期のルーツ・ラディクスによるタイトなトラックにルーズ(に聴こえる)コンビネーション・ディージェイ、最高か。
The Congos / Heart Of The Congos / BAFCD 009
500円買取
77年作。2人組コーラスグループ、リー・ペリーのブラック・アークで制作されたディープな作品。ディープ過ぎたのか当時アイランドはリリースをせず少量のジャマイカ盤しか作られなかったそう。その後徐々に評価を高め今ではルーツ・レゲエの最高傑作と言われるまでに。リー・ペリーのかなりトんでるミックス、後に正式メンバーとなるワッティ・バーネットのバリトンが神秘的。このブラッド&ファイアからの再発CDはリマスター音源を使用、リー・ペリーが目指したであろうサウンドを聴くことができる。
15-16-17 / マジック・タッチ / DEBCD101
500円買取
グループ名の通り15~17歳の女の子3人組。本作は2005年にリリースされたものですがベスト盤ではなく78年頃に制作されリリース予定もあったというアルバム。70年代のイギリス、タフな環境で暮らしていたと思われるカリブ系移民にはシリアスなルーツ・ロック・レゲエも必要だったけれど、二世や三世の若者には夢を見させてくれる甘い曲も必要だった。UKラヴァーズ・ロックの重要レーベルD.E.B. ミュージックから。プロデュースはカストロ・ブラウン、エンジニアはデニス・ボーヴェル。
The Heptones / On Top / SOCD 0016
400円買取
68年作。ベーシスト/アレンジャーとしても才能を発揮したリロイ・シブルズがリードを取る3人組コーラスグループ。グループのキャリアを、スタジオ・ワンというレーベルを、ロックステディというジャンルを代表する作品。スタジオ・ワンがジャマイカのモータウンと呼ばれたことにも大納得。このCD化ではボーナストラックを3曲追加し15曲収録。
Israel Vibration / Same Song / 5346482
500円買取
78年作。めちゃくちゃ個性的な声を持つ三人による唯一無二のハーモニーは一瞬でその場にレゲエの魔力を充満させる。例えば6曲目”Why Worry”の冒頭。リードを取るウィスの”Everyday I believe~”の一節は日本人の若者に「レゲエがあれば生きてい行ける」と信じさせるに充分すぎる、強烈なバイブスだった。ここで取り上げた2001年のEMI再発盤は同時期に制作されたシングルやアルバム収録曲のダブなども入っている。
ジャスティン・ハインズ&ザ・ドミノズ / ジェザベル+ジャスト・イン・タイム / UICY-6853
500円買取
TSUTAYAで借りたロッカーズを観終わって、すぐに名古屋PARCOのタワレコへ向かい買ったのがこれ。目当ての曲はもちろん”Natty Take Over”。76年作「Jezebel」、78年作「Just In Time」の2 in 1再発、山名昇さんのライナーノーツも何度も読み返した。ゴスペル/ソウルに多大な影響を受けたであろうメロディやボーカルスタイルは非レゲエ・ファンをも虜にするはず。
Love Joys / Lovers Rock Reggae Style / WRCD 2383
600円買取
83年作。ワッキーズの女性デュオ。タイトルにラヴァーズ・ロックと入っていますが内容はルーツ色の強い楽曲が多め。買った当初はキャッチーなリタ・マーリーの人気曲カバー”One Draw”にスウィートな”Let Me Rock You Now”が好きでしたが徐々に耳が開発され今ではヘヴィな四つ打ちステッパーのどマイナー調の失恋ソング”Long Lost Lover”がフェイバリット。
グループ
レゲエでは珍しい、ロックバンド的な「自分たちで曲を書いて、自分たちで演奏、歌う」というバンド形態。
各地にレゲエバンドは居ますがレゲエの生産体制が出来上がっていない時期のイギリスで特に発展。
個人的な好みでナイヤビンギ系のグループも含め延べ12タイトルをセレクト。
アスワド /ノット・サティスファイド / ESCA 7548
300円買取
82年作。のちのポップ・レゲエ路線で日本でも売れたアスワドの4作目。ジャマイカ産ルーツ・レゲエを標榜しデビュー、全作「New Chapter」でソウルやジャズ、ファンクのエッセンスも取り入れつつ洗練されたレゲエを完成させるもチャートアクションは芳しくなく。本作ではさらに聴きやすい作風に変化、のちのポップ・レゲエ化への舵を切った過渡期の作品。本作までを引き継ぐハードな面とポップな面の塩梅が素晴らしい。アスワドのメンバーはセッション・ミュージシャンとしても活躍しており、特ににドラムのアンガス・ゲイ(ドラミ―・ゼブ)はUKラヴァーズ・ロックの多くの曲でそのプレイを聴くことが出来る。
ブラック・スレイト / アミーゴ / RWS004
400円買取
80年作。タイトル曲の”Amigo”はメロウでブリージン、フリーソウル的な聴き方もできる名曲。様々な理由で苦しむ人々へ連帯を呼びかける歌詞、ノッティングヒル暴動やブリクストン暴動の起きていた時代にリリースされたと思うと胸に来ます。マトゥンビとおなじく英国らしいポップなセンスが光る良いグループ。
Capital Letters / Headline News / GREWCD7
400円買取
79年作。過小評価されすぎな気がするキャピタル・レターズ。シングル・ヒット”Smoking My Ganja”の斬新なミックスは今聴いても十分にカッコいい。エンジニアにクレジットされているピート・ハモンドはニック・ストレイカー・バンドのメンバーを経てHi-NRGやユーロ・ビート界の重要人物となるお方。この再発CDでは”Smoking My Ganja”の後半ダブ接続12inchディスコミックスバージョンも収録されており、これがまたカッコいい。ほかにも80年リリースの4曲入りEP「Bread And Water」の内容も収録、”Do We Really Need A Government”や”Cheap School Meals”は2トーン勢と共鳴するような素晴らしいプロテスト・スカ・チューン。
Cedric Im Brooks & The Light Of Saba / The Magical Light Of Saba / HJRCD4
500円買取
コルトレーンやサン・ラを敬愛し、ジャズとジャマイカを愛した男。カウント・オジーの元でサックスを吹いていたセドリック・イム・ブルックス自身のグループ、ライト・オブ・サバ。音楽家は全てこの音を目指している、と真顔で語る先輩の話を笑って聞いておりました。ジャズもレゲエもアフロもトラディショナルもソウルも、全てが楽しく美しく混ざり合うこの音のを聴くと先輩の心境、ちょっと分かっちゃたかもです。74年~79年にリリースされた3作から選りすぐりの19曲。イギリスのレコードショップ、オネスト・ジョンが運営するレーベルがリリースしてくれました。レーベルの共同経営者にはブラー/ゴリラズのデーモンの名も。
The In Crowd / His Majesty Is Coming / TJDDD257
500円買取
78年作。スタジオ・ワンのドラマーとしても活躍、その後ギタリスト、ボーカリスト、ソングライター等々様々な才能を発揮したフィル・カレンダー率いるジャマイカのレゲエ・バンド。洒落た楽曲群はイギリスのバンドと間違えられるほど。同時代のジャマイカ産レゲエと並べると明らかに浮いているこのセンス、もっともっと評価されて欲しい。この再発CDはボーナストラック20曲を追加した全31曲。アルバム未収録曲やフィル・カレンダーのソロなど貴重な音源も聴くことが出来る。
インナー・サークル / レゲエ・シング / UICY-76894
400円買取
76年作。ジェイコブ・ミラーを擁するレゲエ・バンド、インナー・サークルの4作目にあたるアルバム。この時代らしいルーツ・レゲエが並ぶ中にソウルフル・レゲエな趣の”Groovin’ In Love”、スライ&ザ・ファミリーストーンな”Reggae Thing”など国際市場を意識したであろうアレンジの曲も並ぶ。特に”Jah Music”は至高。これを聴いてチル、雰囲気ラスタ。イントロのエレピが何かに似てるような気がするのは気のせいじゃないと思います。
マトゥンビ / セヴン・シールズ(七つの封印) / VDBD-3
800円買取
78年作。UKラヴァーズ・ロックを創った一人、デニス・ボーヴェル率いるマトゥンビの1stアルバム。「レゲエは本場ジャマイカの人間にしか演奏できない、英国産のレゲエなんて」と(移民という同じ境遇である)サウンド・システムやレーベル・オーナー達から相手にされなかったが、米英のロック/ポップスも多く聴いてきた彼らが作るレゲエは”移民2世の若者達”の心を掴むことができた。ボーナス・トラックにはホーンとロック・テイストなギターが効いている1曲”Break Down”が追加。デニス・ボーヴェルはジミヘン好きだったっけ。
Misty In Roots / Live At The Counter Eurovision 79 / OPL 001 CD
1,000円買取
79年作。ロック・アゲインスト・レイシズムへの参加でも知られるロンドンのルーツ・レゲエバンド、ミスティ・イン・ルーツ。自主レーベルからのライブ盤がファースト・アルバムなんてパンクみたい。高い演奏力と臨場感溢れるライブは後に制作されるスタジオアルバムでは物足りなく感じるほど。”レゲエ・バンド”にしか出せないであろう、音楽的にも精神的にも息の合った演奏が素晴らしい。
The Mystic Revelation Of Rastafari / Grounation / DY-3464
500円買取
73年作。アフリカン・ドラム奏者カウント・オジーを中心としたナイヤビンギ・グループ。サックスには米国でスピリチュアル・ジャズの薫陶を受けたセドリック・イム・ブルックス、ラスタのチャント(詠唱)とアフリカン・ドラムのグルーヴ、そこにサン・ラやコルトレーンの世界観まで巻き込んだ奇跡的なアルバムがこちら。なかなかコアな音楽性ながら、キャッチーやポップとは全く別のベクトルでめちゃくちゃ聴きやすい、楽しい。音楽って本当はこういうものなのかも。
ラス・マイケル・アンド・ザ・サンズ・オブ・ニガス / トリビュート・トゥ・ジ・エンペラー / PCD-2389
400円買取
76年作。ラスタファリアンの集会、儀式の場で演奏されるナイヤビンギ。レゲエよりも長い歴史を持つこの音楽の代表的なグループのひとつがラス・マイケル率いるサンズ・オブ・ニガス。アルバムによってはレゲエなアルバムもありますが、本作はナイヤビンギ・アルバム。アフリカ由来の複数の太鼓にラスタの教義や旧約聖書の詩などをテーマしたチャント(詠唱)を乗せたもの。本作ではベースやギター、トロンボーンなどの楽器を加えもはやエスノ・スピリチュアル・ジャズとでもいうべき音楽となっています。チャント無しのインスト曲も素晴らしい。
Singers & Players / Trifecta / BRC-299
700円買取
バンドというよりもコレクティブ。エイドリアン・シャーウッドのOn-Uに集まるシンガーとプレイヤーによるレゲエ集団の81~83年にリリースした3作品をまとめた3枚組。クルーシャル・トニーやスタイル・スコット、デッドリー ・ヘッドリー・ベネット等々おなじみの面々+PILのキース・レヴィン、アリ・アップといったポスト・パンク勢というOn-Uらしい編成をバックにビム・シャーマンやプリンス・ファー・アイが歌を乗せるという、”レーベルのカタログの中では”比較的オーソドックスなレゲエに取り組むプロジェクト。かなりちゃんとレゲエをやっている分On-Uらしい音作りの異質さが際立つ。
ソウル・シンジケート / ハーベスト・アップタウン・フェミン・ダウンタウン / TDCN-5189
300円買取
77年作。アール・”チナ”・スミスにカールトン・”サンタ”・デイヴィスを初めファースト・コール・ミュージシャン等が揃うバンド。下積み時代からともに切磋琢磨してきた仲間たち。数々のレコーディング・セッションでシンガーやディージェイの伴奏をしてきたグループが何故自分たちのアルバムを制作したのかは収録された完成度の高いオリジナル曲を聴けば分かる。これだけのものが作れる人たちがオリジナルアルバムを作らない方が不自然。LPで持っていたけどCDでしか聴けない極上メロウ”If It’s Love That You Want”のためだけにCDを購入。
インストゥルメンタル
普段はレコーディング・セッションに参加するプレイヤーが時折制作するインスト・アルバム。もともとジャズの嗜みもあるので聴きごたえは十分。インストアルバムも良作多し、8タイトルをセレクト。
Don Drummond / The Best Of Don Drummond / SO CD 9008
400円買取
スカタライツのトロンボーン奏者、ドン・ドラモンドの本人名義でリリースされた曲をレーベルをまたいで編纂したベスト・アルバム。スカタライツでは多くの作曲を手掛け、本人が多大な影響を受けたジャズにカリプソやメント、欧米のポピュラー音楽といった要素を融合させ革新的なサウンドを作り上げた立役者。”Heavenless”や”African Beat”はその後何度もリメイクされる人気トラックに。
エディ“タンタン”ソーントン / ミュージカル・ノスタルジア・フォー・トゥデイ / PCD-24178
300円買取
82年作。リコと同時期にジャマイカからロンドンへ移住したトランペット奏者のタンタン。スカやレゲエのセッションだけでなくジョージ・フェイムやビートルズ、ストーンズとも仕事をするなど面白い経歴の持ち主。本作は彼の最初で最後のソロ作。スカにレゲエ、ラヴァーズ・ロック、ファンクまで幅の広いインストが12曲+ボーナス・トラック8曲。映画”避暑地の出来事”の主題歌”夏の日の恋”の極上カヴァー収録。ちなみにこのタンタン、ビートルズは「Revolver」、ストーンズは「Their Satanic Majesties」に参加してます。
Ernest Ranglin / Boss Reggae – Sounds Ranglin / DSR CD 516
500円買取
69年作。ジャマイカが誇る天才ギタリスト、アーネスト・ラングリンのギター・インスト名盤。”大きな古時計”にハリー・ニルソン”Everybody’s Talking”からアップセッターズ”Soulful I”やハリー・J”Liquidation”といったジャマイカ産の曲までソフトタッチにカバー。しかしバックビートの効いたバックがイージーにリスニングさせてくれない。御年93歳(2025年時点)、チャーリー・クリスチャンやウェス・モンゴメリのようなジャズ・ギタリストを彷彿とさせるプレイで現在までジャズとレゲエが滑らかに溶け合う極上の音楽を作り続けてくれる。
Gladstone Anderson And The Mudies All Stars / It May Sound Silly / HM-50103-02
500円買取
72年作。ストリングスを導入し華やかでソフトなサウンドを求めたハリー・ムーディーのレーベル、ムーディスクの看板ピアニスト、グラッドストーン“グラディ”アンダーソンの人気作。レゲエファンでなくとも虜にされてしまうスウィートでメロウな珠玉の10曲。この音に惹かれたらぜひムーディスクのカタログをチェック。まずはジョン・ホルトのアルバム、”Time Is The Master”あたりからどうぞ。
Headley Bennett / 35 Years From Alpha / ON-U CD 0014
500円買取
82年作。サックス奏者デッドリー ・ヘッドリー・ベネットのOn-Uからリリースされたソロアルバム。バリー・ホワイト”I’m Gonna Love You Just a Little More Baby”のフレーズから始まる1曲目から素晴らしい作品の予感しかしない。そしてもちろん最後まで素晴らしい。ビム・シャーマンがボーカルをとる曲もありますが基本的にはインスト作。リコ・ロドリゲスも参加。ときにジャジー、ときにフリーキー、最後は優しく締めてくれます。
ジャッキー・ミットゥ / ステッピング・タイガー / CSMCD-012
1,000円買取
79年作。60年代からスカタライツ、サウンド・ディメンションといったハウスバンドで活躍するレジェンダリ―なキーボーディストのレア盤CDリイシュー。オリジナルは無名レーベルからジャケ無しでリリース、ジャッキー以外のクレジットは不明というミステリアスな作品。ただレアなだけでなく内容が凄まじく良いという…。
エレピ、オルガンが好きにはたまらない逸品。日本のレーベル、クレオール・ストリーム・ミュージックから世界初正式再発。感謝。
リコ / ザット・マン・イズ・フォワード & ジャマ・リコ / VDBD1005
500円買取
60年代初頭にジャマイカからからロンドンへ移住しその地で活躍したトロンボーン奏者のリコ・ロドリゲス。81~82年にかけてスペシャルズのジェリー・ダマーズのレーベル、2トーンからリリースされた2作品の2in1。この時代にスカ、ロックステディを演っているのはスペシャルズへの参加で名が売れたこともあると思いますが、何より本人の性に合っていたんじゃないでしょうか。リコのトロンボーンにはスカ、ロックステディがほんと良く似合ってます。
The Skatalites / Ska Authentic / ODR 6665
500円買取
64年作。スタジオ・ワンの名作、スカの創始者スカタライツ「スカ・オーセンティック」。元々Vol.1、Vol.2と2タイトルでのリリースだったがCD化の際に合併、一部シンガーとの曲も含みますが、インストナンバーがほとんど、ということでインストゥルメンタルというカテゴリ分け。トレジャー・アイルに残した曲も素晴らしいのですが、ジャケットが好き、という理由でスタワンからのこちらを選ばせていただきました。
ダブ
もともと副産物として生まれたダブが今ではレゲエの中でも人気のジャンルに。クラブ・ミュージックからダブにたどり着いた人も多いはず。レゲエは聴かずともダブは聴く、なんて方も居るくらいにサブというにはあまりに巨大なサブジャンル。当コラムでは9タイトルをセレクト。
Aba-Shanti-I And The Shanti-Ites / The Wrath Of Jah – Verse 1 (Earth Rocker) / ABA CD-001
800円買取
96年作。UKニュールーツの傑作。デトロイト・テクノのアフロ・フューチャー感に近い、いうなればラスタ・フューチャーな世界観。スター・ウォーズにもしもレゲエをモチーフにした星を登場させるならそこではこんな音楽が鳴っていそう。宇宙のバイブス、まるで未来の儀式。不気味ジャケットも雰囲気があって良い。
アスワド / ニュー・チャプター・オブ・ダブ / P32D-25042
300円買取
82年作。アスワドの3rdアルバム「New Chapter」のダブ・アルバム。1曲目の”Dub Fire”のイントロは一度聴いたら忘れる事の出来ないインパクト。アスワドと言えばまずこのフレーズを思い出す人もいるのでは。ミキシング・エンジニアとしてドラムのドラミー・ゼブの隣にクレジットされているマイケル・キャンベルはマイキー・ドレッドではないかと言われております。後のニュー・ルーツに繋がるような硬質で深いダブ処理がUKらしい。
Augustus Pablo / King Tubbys Meets Rockers Uptown / SH 45059
500円買取
76年作。メロディカ奏者オーガスタス・パブロ、ダブの発明者キング・タビー両者の代表作。パブロのレーベル”ロッカーズ”の音源をタビーがダブ、新たにパブロのメロディカを被せたダブ・アルバム兼メロディカ・インスト・アルバム。タイトル・トラック”King Tubbys Meets Rockers Uptown”はダブの歴史の中で燦然と輝くマスターピース。ここまで特別感のある曲はそうそうお目にかかれない。ほかの曲も良いのですがこの曲があまりにもまぶしすぎる。
Blackbeard / I Wah Dub / 7243 5 82762 2 0
500円買取
80年作。とにかく多彩なデニス・ボーヴェルがほぼ全ての楽器からエンジニア、プロデュースまで担当した本作。マッド・プロフェッサーにも似た技術的な好奇心を強く感じる作品。イギリスのレゲエ・レーベル”Arawak”でプロデュースしたエロール・ダンクリー”A Little Way Different”やグラッドウィン・ライト”Portrait Of You”などのトラックも使用されており、ラヴァーズ・ロック感のあるダブも多い。中でもデニスらしいベースラインがたくさん登場する”Jazzz”が◎。Jazzzの元曲があるなら知りたい。
Creation Rebel / Dub From Creation / BRC-89
400円買取
78年作。まだ19歳だったエイドリアン・シャーウッドが200ポンド(現在の日本円で50万円ほど)という低予算で制作したダブ・アルバム。すでにある曲、トラックをダブにするという手法ではなくはなからダブ・アルバムを作るためのセッションという画期的かつクレイジーなセッションに参加したのはシャーウッドと同じく若いミュージシャン。そしてエンジニアとしてデニス・ボーヴェル。「私が変な音を出すと、エイドリアンは”もっと!”と叫んでいました。」とはデニスの談。On-U始動前のいい話。On-Uでの個性的なサウンドも好きだけど、このアルバムが一番熱いかも。
Harry Mudie Meets King Tubby’s / In Dub Conference Volume One / HM-50108
600円買取
76年作。最初はただただ各楽器の音を抜いたり音量を上げたり、というシンプルな技法だったダブも76年にもなるとエコーが飛び交うサウンドに。流麗なストリングスが特徴的なハリー・ムーディーのムーディスク制作。キング・タビーのストリングス入りダブという想像するだけでヤバそうな…。暗く妖しい”Dub With A Difference”のストリングスだけになる瞬間は鳥肌モノ。
リー・ペリー / スーパー・エイプ / UICY-15035
400円買取
76年作。天才リー・ペリーの最も有名なダブ・アルバム。あの作品もこの作品も手を引いたアイランドがなぜこのクレイジーな作品を扱うことにしたのかほんと不思議。ありがたいことですけど。音響機器で作った、というよりもう「そういう菌が居てな、マルチトラックテープをその菌で発酵させるとこうなるんだ」という具合に有機的なサウンドはもう魔法。スタジオ焼失によりこの魔法も菌も失われてしまった。
Mad Professor / Dub Me Crazy !! / ARICD001
300円買取
82年作。UKを代表するレゲエレーベル、アリワの看板シリーズ記念すべき1作目。幼いころから電球やラジオの仕組みに興味を持っていたという筋金入りのエンジニア、マッド・プロフェッサーのエフェクト実験場。好奇心とユーモア溢れるダブ・ミックスは音の感触は違えどリー・ペリー直系と思ってます。”Bucket Brigade”から”Psychologically Yours”の流れは最高というほかない。一見無機質に聴こえる音は全てアナログ機材。機械の温もりを感じたいなら派手なエフェクトが効いているシリーズ後期より断然このアルバム。
サイエンティスト / サイエンティフィック・ダブ / RWS001
600円買取
81年作(諸説あり)。シリーズ化しているトニー・マクダーモットによるイラスト・ジャケットはコレクター心にぶっ刺さります。キング・タビーの愛弟子サイエンティストの傑作。大胆な音の抜き差しや左右のチャンネルで微妙にタイミングをずらしヘヴィーなサウンドに仕上げるなど師匠を超えていこうとする気概を感じる豪快なダブが気持ち良し。元曲はレヴォリューショナリーズやルーツ・ラディクスによるもの。中でもトーヤンの”Irie Feelings”をベースにした”East Of Scientist Corner “。何度でも聴ける。
コンピレーション
レゲエにおいてはCDの魅力はコンピレーションにあり。LPよりも多くの曲を収録できるCD時代は素晴らしいコンピレーションが大量にリリースされました。その中にはサブスクで聴けない貴重な音源も多数。憧れのレア曲、迫力のあるリマスター音源、コンセプチュアルで勉強になるセレクト…。CD時代の恩恵を15タイトルセレクトしました。
Darker Than Blue: Soul From Jamdown 1973 – 1980 / BAFCD 036
600円買取
ほぼ全曲ソウルミュージックのレゲエカバーを集めたコンピレーション。この企画のために録音したわけではなく73~80年の間にリリースされた曲のなかから選び抜かれた18曲。レゲエとソウルといういわば親戚関係にある音楽に共通する陰が一際重く感じる一枚。コンセプト、選曲の素晴らしさから人気の高い1枚。
ザ・ブリティッシュ・コア・ラヴァーズ / PCD-93112
500円買取
自身のバンド、マトゥンビやスリッツ、ポップ・グループといったポストパンク系の仕事でも有名なデニスのラヴァーズ・ロック・ワークスを集めた日本独自企画。デルロイ・ウィルソン”Hooked On You”やローランドGなるシンガーによるマーヴィン・ゲイ”I Heard It Through The Grapevine”カバーなど、今聴いても全く古くない。このほか同時に「ザ・ブリティッシュ・ピュア・ラヴァーズ」、「アラワク・レーベル・ショウケース」、「ザ・ブリティッシュ・ルーツ・ロッカーズ」というデニス関連のコンピレーションがリリースされておりいずれも素晴らしい内容。シングルのリリースが中心のレゲエ、こうしてまとめてもらえると本当にありがたい。
Prince Buster Let’s Go To The Dance Rocksteady Selection / DBPBCD-001
400円買取
ルードボーイ・ヒーロー、プリンス・バスター。シンガーだけでなくプロデューサー、レーベルオーナーとしての姿にもスポットを当てたもの。自身の曲も含む67年~68年にかけてバスターのレーベルからリリースされた曲を収録。激レア、ビートルズ”All My Loving”カバーやドーン・ペン”Blue Yes Blue”、中でも未発表だったラリー・マーシャル”Wooden Heart”からローランド・アルフォンソ”Rocking To The Field”へ繋がるロング・バージョンとエロール・ダンクリー”My Future Ahead Of Me”はそれだけで買う価値あり、マジでいい曲。
Dread Meets Punk Rockers Uptown (Social Classics Volume 2) / HVNLP 33CD
500円買取
ロンドンの伝説的なクラブ、ロキシーでドン・レッツがプレイしていた曲を収録したダブ/ルーツ・レゲエのセレクション。つまりパンクス達が大音量で浴びていたレゲエ。レゲエの事をさっぱり知らなかったわたしにはパンクとの接点は一つの道標だった。ルーツ・レゲエ入門としても最適な曲が並ぶ良コンピレーション。
当時の様子を撮影した写真やドン・レッツの話などが載るブックレットは貴重なドキュメント。
Firehouse Revolution / PSCD34
400円買取
ジャケットに記載のある通り85年~89年にかけてのキング・タビーがプロデユースした曲をまとめたもの。弟子のキング・ジャミーによる”Under Me Sleng Teng”のコンピュータライズドにいち早く反応、その頃に制作されたデジタル・トラックによる曲を収録。発展途上のデジタルサウンドにもかかわらず滑らかで聴き心地が良く、チープさが醸し出すミステリアスなサウンドにズブズブはまってしまいます。タビーのことだからこのチープさ、狙ってやってるはず。
Henry “Junjo” Lawes Volcano Eruption / VP 4162
600円買取
80年代初頭のルーツ・レゲエから初期ダンスホール・レゲエへの転換期に活躍したレーベル”ヴォルケーノ”およびプロデューサーのヘンリー・”ジュンジョ”・ロウズにスポットを当てた2枚組。新世代ミュージシャンで構成されたルーツ・ラディクスにこれまた新進気鋭のエンジニア、サイエンティスト & ソルジーらとともに新時代のレゲエを作り上げたジュンジョの仕事が40曲。硬質でミニマルなグルーヴ、キレのあるミキシング、個性的なシンガー、ディージェイ達。ヴォルケーノはやっぱり最強。
Joe Gibbs 12″ Reggae Discomix Showcase Vol.1 / VP 4159
500円買取
通常ボーカルバージョンとダブもしくはディージェイバージョンを結合したものがディスコミックス。ジョー・ギブスはエンジニアのエロール・トンプソンと組み数多くのヒット曲を制作しましたがディスコミックスも多く残しています。ただただ別バージョンを繋げるだけでなく、良きところでダブやディージェイが斬りこんでくるセンス良すぎるミックスが11曲。アナログで探すのは大変なのでこのCDは大変嬉しかった。評判良かったのかVol.5まで出てます。
Lee “Scratch” Perry And Friends Disco Devil (The Jamaican Discomixes) / UMC9802
600円買取
リー・ペリーのブラック・アークで制作された12inchディスコミックス全18曲をCD2枚にまとめたもの。憧れの曲がまとめて聴けるのはCDならでは。6分台から長いものだと12分超えの曲もありますが変幻自在のミックス、ダブエフェクトに夢中になっていれば長尺曲もあっという間。
Lee Scratch Perry Arkology / 524 379-2
800円買取
最も優秀なリー・ペリー関連コンピレーション。レゲエ研究家スティーブ・バロウとデヴィッド・カッツが編纂した全52曲はリー・ペリー入門教本として最適。聴き心地度外視、元曲とダブ・バージョンが並ぶ曲順はもはや学術資料。タイトルからしてアーコロジー。ジュニア・マーヴィン”Police & Thieves”のバージョンだけで4曲も続く箇所が楽しいと思えるから凄い。同じトラックからこんなにも創造できるものなのか。
100% Dynamite! Ska, Soul, Rocksteady & Funk in Jamaica / SJR CD40
500円買取
98年にリリースされ、その後600%まで続くソウル・ジャズ・レコーズの看板コンピの始まり。定番曲からレア・グルーヴ的な曲までバラエティ豊かな選曲がこのレーベルならでは。ブレントフォード・オール・スターズ”Greedy G”、アップセッターズ”Popcorn”、ジャッキー・ミットゥ”Stereo Freeze”などのジャマイカ産ファンクなるものの存在をこのコンピで知った人も多かったのでは。
Punky Reggae Party – New Wave Jamaica 1975 – 1980 / TJDDD040
400円買取
イギリスのパンク/ニューウェーブの背景を彩ったレゲエが詰まったコンピレーション。こういったコンピレーションには珍しくボブ・マーリーが入っているが”Punky Reggae Party”ではなく”Natural Mystic”という選曲が妙にリアル。デニス・ブラウンの” Money In My Pocket”もパンクス好きそう。英文ライナーはストラングラーズのジャン=ジャック・バーネル。
Relaxin’ With Lovers Volume 1 – DEB Lovers Rock Collections / KSCP 922
600円買取
大人気ラヴァーズロック・コンピシリーズ記念すべき1作目、ラヴァーズ・ロック重要レーベルDEB Musicからのセレクト。発売当時は今よりもっとUKラヴァーズの情報が少なくこのコンピの登場は衝撃だった。都会的で洗練された音楽性はフリーソウル・ファンにも十二分にアピール。スピンオフ企画である和モノラヴァーズコンピ”Relaxin’ With Japanese Lovers”と共に現在のラヴァーズ・ロック人気のベースとなるコンピ。石田昌隆さんの写真も素晴らしい。現在のラヴァーズ・ロックの評価の高さ、人気、さらには新譜リリース量の多さ。すべてここからと言っても大げさじゃない気がします。
ロッカーズ オリジナル・サウンドトラック/ PHCR-1745
400円買取
映画ロッカーズのサウンド・トラックにしてルーツ・レゲエの名コンピ。今の時代にあっては14曲という内容は物足りないかもしれないが、サブスクなんて無かったころはVHSやDVDをしょっちゅう視聴するわけにもいかずこのサントラを聴くしかなかった。写真も飽きることなく眺めて過ごした。この14曲がこの順番で並んでるから良いんです。欲を言えばダーティ・ハリーのDJブースジャックのシーンでかかるジェイズの”Queen Majesty”が入ってて欲しいくらい。
V.A. / Trojan Eighties Box Set / TJETD253
800円買取
90年代後半からおよそ10年間の間に50を超えるタイトルをリリースしたTrojan Box Setシリーズの中のひとつ。
1曲目からヘプトーンズによるカルチャー・クラブ”Do You Really Want to Hurt Me”カバーという最高の始まり。コンピュータライズド前後の曲がずらりと50曲。玄人好みなピーター・ブロッグスやブリガディア・ジェリー、スーパー・キャットやレッド・ドラゴンといったダンスホール勢も良いアクセントになって聴き飽きない。
Trojan Reggae Sisters Box Set / TJETD073
800円買取
ロックステディ~初期レゲエを中心に女性シンガーものを50曲収録。初心者からコアなファンまで楽しませるセレクトはトロージャンの膨大なアーカイブのなせる業。解説が無い、音質が悪い等の意見もあったけど素直にこの曲数が嬉しい。この”Sisters Box”もよく聴いた。
まとめ
買取価格付きレビューということで高額レゲエCDを血眼になりながら調査したものの…結果としてはレゲエのCDはそれほど高額ではないということでした。もとより予想はしておりましたが…。
あのジャンルやこのジャンルと比較するとレゲエは”帯付き”や”初期盤”というようなものに価値を求めないジャンルであるとも言えます。かくいう私もなにを隠そう”聴ければなんでもいいや派”ですし。
DJでプレイするなら7inchかPCが多いでしょうしCDというメディアにとって”買取価格”はかなり分の悪い勝負だったかも。
とは言えまったくもって値段が付かないかというとそうでもないようで、数百円付くものはかなりありました。様々な理由がありそうですが数百円代のものがこれほどあるとは調べてみるまで分かりませんでしたね。
しかし”高くてもこれくらいの価格”ということはもっと安いCDが膨大にある、とも言えますが。
なかなか厳しい結果に終わりましたがレゲエCDの整理を検討していらっしゃるみなさま、少しお手間かもしれませんが中古CD/レコードショップへ持ち込むなど検討していただけるとありがたいです。
それほどお値段は付かないかも知れませんが、若い頃中古CDのお陰で色々な音楽に触れることが出来た経験のある私としては本当にありがたい存在でしたので。そのCD、きっとどこかの誰かが探しているはずなのです。
さてさて、長々としたコラムもそろそろ締めたいと思います。みなさま長々とお付き合いいただきありがとうございました。また別のコラムでお会いしましょう~。
最後にもう一つだけ、こんなコラムも書かせていただいてますのでお時間ある時にぜひ。
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