シティポップ(City Pop)完全攻略ガイド:定義・歴史・名盤・海外人気の理由を徹底解説【2026年最新版】
CONTENTS
【男性ソロ・バンド】
12. 細野晴臣(Haruomi Hosono)
はっぴいえんど〜YMOを率いた、日本ポップス界の「構造改革者」。トロピカル三部作などはエキゾチックなシティポップの原点として、そして本作は日本フォークの名盤としても人気です。
必聴曲:恋は桃色 / 泰安洋行
13. 角松敏生(Toshiki Kadomatsu)
80年代後半、自らギタリスト・プロデューサーとして、世界最高水準のダンス・ミュージックを追求。LAのスタジオを使い、超一流の演奏家を配したサウンドは、当時の日本で最も「鳴りの良い」音楽でした。
必聴曲:OFF SHORE / NOA
14. 稲垣潤一(Junichi Inagaki)
ドラムを叩きながら歌うスタイル。クリスタルなハイトーンボイスは、都会の雨や夜のハイウェイを連想させ、TVタイアップでこの曲も大ヒットしました。
必聴曲:クリスマスキャロルの頃には / ドラマティック・レイン
15. 杉山清貴&オメガトライブ(Kiyotaka Sugiyama & Omega Tribe)
「夏、海、サングラス」。80年代のリゾート文化を音楽で完璧に体現。徹底して作り込まれた「デジタルな夏」のイメージは、今聴いても新鮮な清涼感があります。
必聴曲:SUMMER SUSPICION / 君のハートはマリンブルー
16. 鈴木茂(Shigeru Suzuki)
はっぴいえんどのギタリスト。LAでリトル・フィートのメンバーと録音した「BAND WAGON」は、日本語ロックとアメリカン・グルーヴが融合した歴史的名盤です。
必聴曲:砂の女 / 微熱少年
17. 小坂忠(Chu Kosaka)
「シティポップの精神的支柱」。名盤『ほうろう』は、日本語ソウルの金字塔として山下達郎ら後進に多大な影響を与えました。R&Bを洒脱なポップスに昇華した先駆者です。
必聴曲:しらけちまうぜ / ほうろう
18. ハイ・ファイ・セット(Hi-Fi Set)
赤い鳥のメンバーによって結成。洗練されたコーラスと、ユーミン(荒井由実)の楽曲をいち早く取り上げた選曲センスにより、都会的なポップスの普及に大きく貢献しました。
必聴曲:スカイレストラン / フィーリング
19. 崎谷健次郎(Kenjiro Sakiya)
80年代後半、シンセサイザーと生音を高度に融合させたクリエイター。繊細かつドラマティックなメロディメイクは、シティポップが成熟した時期の豊かさを伝えています。
必聴曲:もう一度夜を止めて
20. カシオペア(Casiopea)
インストゥルメンタル(歌なし)でありながら、シティポップを形成する「フュージョン」という要素を象徴するバンド。彼らの疾走感あふれるサウンドは、当時の都会的な空気感そのものでした。
必聴曲:ASAYAKE / I’M SORRY
現代に息づく「ネオ・シティポップ」の系譜
シティポップは過去の遺産ではありません。2000年代以降も、シティポップの影響下にあるアーティストが続々と登場し活躍しています。
21. 流線形(Ryusenkei)
クニモンド瀧口によるプロジェクト。2003年のデビュー以来、一貫して70〜80年代の職人的なシティポップ・サウンドを追求し続けています。ブーム以前からその魅力を現代に繋ぎ止めた、リバイバルシーンにおける最重要ユニットの一つです。
必聴曲:3号線 / 恋のサイダー
22. 一十三十一(Hitomitoi)
「現代のシティポップ・クイーン」。2012年のアルバム『CITY DIVE』は、ネオ・シティポップの金字塔として、現在のブームを決定づけるきっかけとなりました。その浮遊感のある甘い歌声は、80年代の空気感を完璧に現代へアップデートしています。
必聴曲:DIVE / 恋はハイ・フィデリティ
23. Suchmos(サチモス)
2010年代半ば、アシッドジャズやヒップホップをJ-POPに持ち込み、リバイバルの決定打となったバンド。彼らの洗練されたグルーヴは、かつてのシティポップが持っていた「都会的でドライな空気感」を現代に蘇らせ、若年層が80年代サウンドへ興味を持つ入り口を作りました。
必聴曲:STAY TUNE / MINT
24. 離婚伝説(Rikon Densetsu)
今、最も「山下達郎のDNA」を感じさせると話題のデュオ。抜群の歌唱力と、70〜80年代の職人的なスタジオ・ワークを彷彿とさせる緻密な楽曲制作が特徴です。どこかノスタルジックでありながら、瑞々しいメロディセンスが、目の肥えたシティポップ愛好家を唸らせています。
愛が一層メロウ / メルヘンを捨てないで
25. Night Tempo(ナイト・テンポ)
韓国のプロデューサーであり、シティポップを現代のダンスフロア仕様にアップデートする「フューチャー・ファンク」の旗手。竹内まりや、松原みき等の公式リミックスも手掛け、海外の視点から日本の名曲に新たな息吹を吹き込んだ、ブームの最大の功労者の一人です。
必聴曲:Plastic Love (Night Tempo Showa Groove Mix)
5. 世界を揺らしたサンプリング:シティポップのDNAは現代へ
シティポップの再評価は、単に「懐かしい曲を聴く」だけではありません。世界的なトップアーティストたちが、日本の職人技が生み出した緻密なメロディやグルーヴを「最高の素材」としてサンプリングし、新たなヒット曲を生み出しています。ここでは、特にインパクトの強い3つの事例を紹介します。
Case 1. The Weeknd × 亜蘭知子
The Weekend / Out of Time
【元ネタ】Midnight Pretenders
- 現代のヒット曲: The Weeknd「Out of Time」(2022年)
- サンプリング元: 亜蘭知子「Midnight Pretenders」(1983年)
解説:
世界最高峰のR&Bシンガー、ザ・ウィークエンドがアルバム『Dawn FM』のリード曲で、亜蘭知子のメロウな名曲を大胆にサンプリング。この曲の世界的ヒットにより、亜蘭知子の名は世代や国境を超えて知れ渡り、シティポップが「最先端のクールな音」であることを決定づけました。
Case 2. Tyler, The Creator × 山下達郎
Tyler, The Creator / GONE, GONE / THANK YOU
【元ネタ】FRAGILE ※YouTube動画無し
- 現代のヒット曲: Tyler, The Creator「GONE, GONE / THANK YOU」(2019年)
- サンプリング元:山下達郎 / FRAGILE (1998年)
解説:
現代ヒップホップ界の鬼才、タイラー・ザ・クリエイターが、山下達郎のアカペラの名曲「FRAGILE」をサンプリング。グラミー賞を受賞したアルバム『IGOR』に収録されたことで、世界中の音楽ファンの間で山下達郎の職人的なコーラスワークの凄まじさが改めて認識されました。
山下達郎 / FRAGILEは、11枚目のアルバム「COZY」に収録されています!是非お聴きください。
Case 3. Jenevieve × 杏里(Anri)
Jenevieve / Baby Powder
【元ネタ】Last Summer Whisper
- 現代のヒット曲: Jenevieve「Baby Powder」(2020年)
- サンプリング元: 杏里「Last Summer Whisper」(1982年)
解説:
新世代のR&Bシンガー、ジェネヴィーヴが、杏里の名盤『Heaven Beach』に収録されたメロウ・ナンバーをサンプリング。原曲の持つノスタルジックでアンニュイな旋律を現代的なローファイ・ヒップホップのビートに落とし込み、YouTubeで9,000万回再生を超える世界的なバイラルヒットを記録しました。
6. まとめ:シティポップは「終わらない夏」のサウンドトラック
シティポップは、1970〜80年代という、日本が最も豊かで、音楽に対して贅沢に時間と才能を注げた幸福な時代が残した宝石です。
デジタルの波に揉まれる現代において、当時のアナログで温かみのある、しかし極めて都会的でクールなサウンドは、私たちの心を癒やし、新しいインスピレーションを与えてくれます。
まずは1曲、当時の東京や湘南の風景を想像しながら聴いてみてください。そこには、色褪せない「終わらない夏」が広がっているはずです。